涙をながした猫。
あぁ、またしても仲間が死んだ。
今日、車にはねられて死んだやつは何匹いたか。
誰も知らないで、生きていくんだ。
バカだなぁ、おまえもいつか死ぬのに。
今日も上を向きながら歩いた。
どうして、こんな世の中に生まれたんだ。
あぁ、殺してくれよ。
猫は泣いた、意味のない命をふてられない事に。
最近、人間はおかしい、フテ猫を見るたびに思う。
あんなに小さい子猫を、誰も拾わない場所に置いていく人間。
箱に入ったまま鳴き声で助けを呼ぶ子猫よ。
あ、鷲だ、狸だ・・・
連れて行かれる、どこへ?お前らは餌になる。
助けてやれなくて、ごめんよ。
僕には出来ないんだ。
どうして、人間はこんなにも酷いのか。
面倒なら買わなきゃいい、その飼い猫が子猫を生んだら欲しい人にあげればいい。
それが無理なら、猫に死ねと言うのか。
僕は何歳まで生きて、この惨劇をみるのだろう?
野良猫に幸せなんかあるのか、いいや、ない。
僕は泣く、犬のように大きな声で鳴くことはできないが。
悲しくて、泣くのだ。
涙は遠の昔に消えた。
涙を流すことしかできない僕を、君は許すかい?
君は僕の光なのに、殺されたんだ。
でっかい鉄の、光を照らす化物に。
人間が乗る車と言いうものに。
君の涙は忘れない、絶対に。
さぁ、僕もこのまま寝てしまおうか。
ダメだ、僕はまだ死にたくないなら、人間に甘えよぅ。
「猫だ!めちゃ可愛い、おいで~おいで~」
にやぁ~。
「懐いた、嬉しい!私のお家においでょ」
それから、5年たった君は僕を大切に育ててくれた。
人間も捨てたもんじゃないな、
僕は人間に好かれよぅ、この命がおわるまで。
それまで、僕を大切にしてね。
猫はまた泣く、悲しい涙じゃない。
嬉しくて、生きる喜ぶを知って涙を流したのだ。