遥の一振で霊は消えた
遥の渾身の一振で幽霊は消え、さっきまで屋上にあった冷たくて重い空気は完全に消えた。
恐らく幽霊を祓う事には成功したのだろう。しかし、なんかアッサリし過ぎて不安を感じる。
「幽霊ってこんなにアッサリ消えるものなの?遥って実は優秀な巫女さんなんじゃ・・・?」
翔子は久しぶりに遥が凄い人なんだと感じた。ただの問題児ではなく頭が良く美人で可愛くてクールで霊を一振で消し去ることが出来る人・・・と再認識した。
「いや私も幽霊のお祓いは初めてだし、アッサリし過ぎて戸惑っているところだ。だが場の空気が良くなったのは確かだな。」
「あー確かに重くて息苦しい感じしなくなったねー。多分お祓い成功したんじゃない?」
これをお祓いと言って良いのだろうか?成仏させたという事にして良いのだろうか?
遥的には成仏というよりは消し去ってしまったと言う方が正しいと思う。
「しかしもう少し話を聞けば良かった気がする。」
「何で?あのまま話していたら遥が消されていたかも知れないんだよ?」
「あの幽霊が言っていた炭谷っていう人が気になる。最近聞いたんだ・・・所沢遊撃隊という半グレ集団の事を。その幹部の名前に炭谷っているんだ。」
遥は以前源田と町を遊んだときに所沢遊撃隊の幹部の名前を聞いてた。その幹部の名前に炭谷っていう名前は確かにあった。結構珍しい名前だし他人ということはないだろう。
「も、もしかして遥ちゃん所沢遊撃隊の炭谷をボコるつもりなんじゃ・・・」
真琴は不安な顔をする。遥の事だ、半グレ軍団でも平気でボコる可能性がある。
しかし遥は心配そうな真琴と翔子の目を見たら「炭谷の人生を滅茶苦茶にしてくる」なんてとてもじゃないが言えなかった。
「しないぞ。なんで私がそんな面倒事をせにゃならんのだ?明日も早いし二人とも帰るぞ・・・!」
遥は二人の方を振り向くことなくそのまま階段を降りていった。




