美人で可愛い巫女さんはただ堂々としていた
ここは埼玉県所沢市のとある町。
この町では小さいけど古くからある由緒正しき神社がある。
その神社は小さな山の奥にある。
そんな山から朝早くから一人の少女が慌ただしく走って出掛ける。
「ヤバいな。完全に寝坊してしまったでは無いか。」
その少女は長い黒髪がとても綺麗な女の子であった。
スカートは短め・・・下手したらパンツが見えてしまうのではないかと思われるが、少女はそんな事全く気にしていない様子。
さて、どうやら少女は急いで学校に向かっているご様子である。
急いで走る事10分、少女は学校に到着した。
所沢北斗高校・・・少女が通う高校である。
偏差値75の県内トップの進学校で、六大学や有名私学に進学する割合がかなり高い高校である。
しかし、少女は大学などに行く気は全くない。
徒歩で通学できる高校が所沢北斗高校とガラの悪い不良ばかりが通う所沢南斗高校しかないのである。
・・・となると必然的に頭の良くてイメージの良い高校へ行くのが賢い人というものである。
頭の悪い高校は柄の悪い人が多く、言っても会話が通じない人もいる。
だから少女は勉強の出来る高校に進んだのだ。
さて、それはともかくとして少女は完全に学校に遅刻してしまっており普通の人ならどうすれば良いのか悩むところである。
しかし、この少女はそんな事を悩みはせずに堂々と教室に入っていく。
「スマン、寝坊した。」
少女は教室に入って先生にそう吐き捨てる。
先生も少女のこの反応には腹が立つ。少しは申し訳ないという気持ちを見せてもらいたいと思った。
「おい、外崎ぃ!なんならその態度は!?ちったぁ申し訳ない態度を見せんかい!コラァ!」
サングラスをかけたヤクザ見たいな風貌の先生は少女に対して怒鳴った。この瞬間、クラスは凍り付いた。
先生のいかにも輩みたいな怒り方に恐怖したのだ。
しかし、少女はだからどうしたと言わん態度である。
「だからスマンと言ったろ?それに私は言葉より行動で示す。遅刻した事については本当に申し訳ないと思っている。だからその気持ちを先生に示したい。次のテストで学年10位以内に入ってその気持ちを示したいのだが駄目か?」
先生もクラスのみんなもコイツぅ・・・デカい事ぬかしやがると思っていた。
「ほぉ〜?デケぇ事言うのぉ?ほな、ぜってぇ10位以内入れよ。もし10位以内入れんかったらワイはオメぇを喰らわしてやらな気が済まん。ワイはそこらの生ぬるい教師と違ってホンマにやるけぇの?分かっとんのか?」
この先生の喋り方、雰囲気は本当にクラスの空気を悪くした。ブルブルと震えている女の子もいる。
しかし、少女は堂々としていた。
「構わない。約束を守らなかったんだから殴られても仕方ない。もし、殴られても私は先生を憎んだり恨んだりはしないさ。約束を果たせなかった己を憎むのが筋だからな!」