表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/8

学校での放課後、視聴覚室にて

 放課後、結城未来はガラッと視聴覚教室の扉を開けた。すると中段に一人の少女が寝ているのが見えた。「あっ、いた。紗奈!」と声を掛ける。しかし、紗奈はピクリとも動かない。「グッスリ眠ってるわ」と結城は思った。「学校の視聴覚教室であんなにグッスリ寝るなんて、紗奈ったら徹夜でもしたのかしら?」


 ここは結城未来が通う文京区にある虹ヶ丘高校である。時は2089年。現実の世界は仮想世界に侵食していった。人々はより快楽と住みやすさを求め、理想のユートピアを求めている時代だ。


 突然、結城の後ろに人の気配がしたので振り返った。そこには体育の先生が立っていた。「何をやってるんだ?」木達先生が結城に問いかける。結城はヤバっと感じ、とっさに笑顔を作って返事をした。「あの、友達がここにいるので迎えに来たら眠ってて。起こしてすぐ帰りますから」と言うと、木達先生は穏やかな顔で「起こさなくてもいい。寝てるなら後で俺が起こしておくから、お前は先に帰りなさい」と言った。


 結城はここを立ち去る様に促されていると感じ、「ハイッ!」とだけ言って慌ててその場を去った。この時、もし結城がわずかでも後ろを振り返っていたら、きっと恐怖で青ざめていただろう。なぜなら、体育教師の木達の顔はさっきまでの穏やかな顔ではなく、冷酷な眼差しで結城を見ていたからである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ