涙の星に生まれて
流した涙は
どこへと消えていくのだろう
雨の滴りが風に渇くように
雨宿りの小鳥の濡れた羽根が
木洩れ陽に輝き出すように
やがて
心の空を煌めきながら
雲のように高く高く
舞い上がるのだろうか
流した涙は
どこへと消えていくのだろう
山頂の一雫から河が生まれるように
銀河の星が流れて天の川となり
棚引く雲の隙間から
光の粒子がせせらぐように
やがて
心の海へと流れつき
海星のように深く深く
舞い降りていくのだろうか
この星はきっと
涙でできている
だからこんなにも
空は涙色をして
今日もどこかで
誰かが流す涙がある
その涙の一つでも多く
風が優しく包み込みますように
この星はきっと
涙でできている
だからこんなにも
海は涙色をして
もし君の頬を伝う
涙があるのなら
その涙の分だけ
君の心が軽くなりますように
涙でできた星のうえで
涙とともに生まれ落ち
涙とともに生きている
喜びも、
哀しみも、
愛しさも、
切なさも、
感謝も、
祈るような願いも、
心震わせる瞬間も
何度流しても
涙が枯れることがないのは
想いもまた
枯れることがないから
これからもきっと
たくさんの涙を流すのだろう
だから
その想いと涙とともに
生きていけたら
心の空へと舞う涙
心の海へと流れつく涙
空には涙の数ほどの星が瞬き
海には涙の数ほどの星が水鏡に映る
この星は今日も
輝き続ける
涙でできた、星だから。