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6幼馴染、神作家=樹説にモヤモヤする

「……なにあのぼさぼさの髪。だっさ」


教室で、幼馴染の樹を見て、花蓮は思わず声が出た。


最近、綱島先輩と付き合うようになって、身ぎれいにしている先輩と樹をつい比べてしまう。


『いくら一人暮らしでも、あれはないわ。それにシャツもヨレヨレ、それに比べて綱島先輩の素敵さと言ったら』


花蓮は樹との思い出を捨て去ろうとしていた。


子供の頃の思い出は大切だ。でももう子供じゃない。樹だってきっとそう、だからあんなことしたんだ。


「……ふっ」


思わず鼻で笑った。


『そもそも私のような可愛い子が樹の彼女じゃ吊り合いが取れなかったのよ』


花蓮は自分と樹が付き合っていたことは間違いだと改めて自分に言い聞かせた。

自分と樹では住む世界が違うのだと改めて思った。


もちろん彼女は樹が神作者だと知らないから、当然住む世界は違い、どちらが上で、どちらが下なのかは完全に間違えている。


そして、お昼休みに入り、いつものようにあの憎たらしい後輩が樹のそばにやってきた。

何故かはわからないが、無性に腹が立つ。


二人がいつものように教室から出て行って、姿が見えなくなると、花蓮は敬愛する『しいくがかり先生』のTw〇〇tを眺めるために、スマホを取り出す。


花蓮はTwi〇〇erを眺めて呆然としていた。


『最近後輩の女の子と仲良くなりました♪』


Twi〇〇erで呟きが多くなった。神作家の『しいくがかり』先生。


しかし、その呟きの内容はことごとく樹の行動と一致する。


最近、樹は後輩の女の子と仲良くしている。


だけど、それと同時に『しいくがかり先生』も後輩の女の子と仲良くなっている。


Twi〇〇er界隈では神作家は現役の高校生か? と話題沸騰していたが、花蓮にはそれはどうでもいい。


樹は神作家の『しいくがかり先生』なんじゃないか?


もし樹が先生なら?


「そんな筈はないじゃない。樹のくせに神作家だなんて!」


「どうしたの? 花蓮?」


「あ、ごめん。ちょっと、気を取られて……」


花蓮はお昼休みとはいえ、クラスの中にも関わらず思わず声を出してしまっていた。


『い、いや……違う! あんな陰キャが先生な訳がない! 樹はただの陰キャな高校生! 間違っても神作者である先生な訳がない!』


花蓮はお昼休みを読書して過ごすことにした。


今日は綱島先輩の都合でお昼は一緒じゃない。


少し暇なので、読書して過ごすことにした。


「う、嘘よ……あり得ないわ……」


またしても声が出てしまった。


最近、ラノベだけでなく、『しいくがかり先生 』のweb小説もたくさん読み始めていた。


以前は書籍化されている作品だけだったけど、他の作品も読み始めた。


書籍化される以前の作品を読んで……。


知っているエピソードがたくさんあった。


自分と樹との思いでのエピソードが……。


一緒に出かけた時のエピソード、子供の頃のエピソード……。


全部思い当たる記憶がある……。


自分の中に……。


それだけではなかった。


花蓮は段々気が付いてきた。


樹がどれだけ面倒見がよくて、自分のことを良く見ていてくれていたのか?


花蓮の学校の成績は急降下していた。


勉強を教えていてくれていた樹がそばにいないから……。


綱島先輩とデートしても、つい樹と比べてしまう。


樹と行ったことがあるファションモールに綱島先輩と行ったのに全く楽しいと思えなかった。


かっこよくて、お金持ちの綱島先輩。でも、花蓮や他人への扱いが雑。


振って、綱島先輩と付き合い始めてからの比較で、しみじみ気づいてきた。


大好きな『しいくがかり先生』 のことを話したら、そんな陰キャみたいな趣味は止めた方がいいと言われた。


樹は花蓮の趣味や考えに理解があった。いきなり否定なんてしなかった。


別れた後に樹が落ち込んでいる姿を見て、ひどく傷付けたことを自覚した時、花蓮の心は麻のように乱れた。


そして、もう一度Twi〇〇erの画面を見ると、


『後輩ちゃんとランチNow!』


大好きな『しいくがかり先生 』のつぶやきが花蓮の心に突き刺さった。

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