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20ざまぁ回

そうして、あくる日が来た。


いつものように……俺は足を掛けられて転んでいた。


「なぁ、樹? 俺は喉が渇いたんだけど、ジュース買ってきてくれねぇかな? 買ってくるよな? 普通? もちろんお前の金で、当然だよな!」


「なんで、俺がお前のジュースなんて買ってこなきゃいけないんだ!」


俺は腹が据えかねた。足をかけられたり、無視は日常茶飯事だ。


イジメはドンドンエスカレートしていた。


「なあ、後輩たらしこんで、いい気になってんじゃねえぞ! 女にモテるのかなんだか知らないが、いつまでもデカい顔するなよな。お前、日吉に乱暴したんだろ? よく、しゃあしゃあと学校に来れるな? お前の無神経、マジで引くわ!」


「ぎゃはははっ、いえてら! ホント、コイツの神経おかしいぜ!」


クラスメイトたちにやじられる。


カッとなり、激しい憤りに頭に血が上る。俺は何もしていない、本当なんだ!


何処に証拠があるんだ? あったら、そもそもあの時、警察に捕まってるだろ?


負の感情が込み上げて、怒りのあまり耳が熱くなった。


その時、突然教室のドアが開いた。


「駄目ぇ! 先輩、我慢して! お願いだけん、もうちいとだけ我慢して!」


危うく暴力を振るいそうになった俺を止めてくれたのは陽葵ちゃんだった。


危なかった。最初からこれが目的だったんだ。俺を挑発して、暴力沙汰にして……。


まわりを見ると、他のクラスメイト達も、いつもの嘲笑を浮かべて俺を見ていた。


でも、こんな生活がいつまで続くんだ? 陽葵ちゃんがいなかったら、1日だってもたない。


だが、更に教室のドアを突然開けて大声で入ってきた人物がいた。


「ええっ?」


俺はドアをバシャンと突然開け放ち、入って来た人物を見て驚いた。何故なら彼女は!!


「しいくがかり先生! いえ、海老名先生! 大変です! 先生の作品がとうとうアニメ化されることになりました! 至急、うちの会社に来て下さい!」


彼女は俺の編集担当辻堂さん。


かなり美人のやり手編集者。俺の作品を書籍化へと見出してくれたのは彼女だ。


「アニメ化? しいくがかり先生? それって、まさか今人気のラノベの?」


「うそ、私、ファンだったのに!!」


だが、教室に大声をあげながらドアを開け放ち更に三人目が来た。


「みんな大変よ! 海老名君は無実ですぅ!」


三人目は担任のちびはる先生だった。


突然乱入して来た二人の大人のうち辻堂さんは予定外なので陽葵ちゃん達は少し話しあうと説明を始めてくれた。


先ずは担当のちびはるちゃん先生からだった。


「知っての通り、このクラスの日吉さんが3か月前に下校中に襲われてね。その時近くにいた海老名君が疑られて、何処にも証拠はなかったけどね、真実がわかったの」


「……し、真実って……海老名が犯人じゃなきゃ一体?」


「い、今更そんなの嘘だろ?」


クラス中がざわつく。そして、陽葵ちゃんが話し始める。


「3年生ん綱島悠人が逮捕されたと。あん人は犯罪者ばい! あん人は女子生徒ば使うて、男子生徒ばたぶらかして、現場ば抑えてお金ば要求うる脅迫行為ば行っとったと。日吉凛しゃん。あんたは彼ん恋人ばいね? あん人ん片棒ばかついどったったいよね? 現場ば見られたて思うて先輩ば嵌めたよね?」


「黙って聞いていたら……なに調子こいてんの! このクズ! クソビッチ!」


突然豹変した日吉さんにもう薄幸の少女の面影はない。


そこには醜悪に豹変した女がついに本性を現して、陽葵ちゃんを罵倒していた。


「とうとう正体ば現したったいね? 陽葵、約束は守る主義なの。先輩の無実は証明できた。あなた終わりよ。もうじき警察が来るわ。あなたば逮捕するためにね。あなた達のやっとったことは犯罪よ!」


「五月蠅い! 海老名の無実晴らすとか、マジでキモチワルイんだけど!」


正体を現した日吉の醜悪な姿にクラスメイトに動揺が走る。


「それと、これは言っておくわ。あんたん他にも逮捕しゃるー女子生徒がおるわ。他に三人ほどね。……あんた、まさか自分が本命やったなんて思うとらんばいね?」


「う、嘘よ! 嘘よ! このクソビッチ!」


陽葵ちゃんの告発が間違いない事実だと言うことを知って、クラス中が氷つく。


だが、彼らもまた氷つくことになる。


「あんた達、こん人ん心配しとー暇なんてあるかしら? 今すぐスマホで検索してみたら? #しいくがかり先生 イジメって入れんしゃい」


「ええっ!?」


「わ、私の顔がネットに晒されてる!!」


「顔どころじゃないぞ! 実名と住所まで!」


「嘘でしょ? なんでこんなことに?」


俺も理解が追い付かない。


「簡単よ。昨日からSNSに『#しいくがかり先生がいじめられとる』って書き込みしといたの、先輩の顔写真ば添付してね♪」


えっ!? 俺の顔、全国っていうか、全世界に晒したの?


「ネットん正義ば気取る人たちがたちまち、あんた達ん悪事ば暴いたばい。綱島先輩とそこん馬鹿な日吉しゃんの先輩に対する悪事もね」


クラスメイト達がみな阿鼻叫喚の地獄へとたたき込まれる。


「こんこつは『拡散希望』てタグつけておいたから、一生消えない傷になるね。就職にも影響するかもね」


ちょっと、陽葵ちゃんが怖くなった。


でも、陽葵ちゃんがこっそりと俺に耳打ちをしてくれた。


『嘘ですよ。ホントはお父しゃんに頼んでこん辺にだけ偽SNS情報流しといたんばい♪』


陽葵ちゃんはやっぱり優しかった。俺はちょっと安心した。


『こん人達だって、これ位の罰ば受ける必要あるとよよね?』


『そうだな!!』


俺はこの可愛い後輩が天使のように見えた。だけど、陽葵ちゃん、とんでもお金持ち……とはいえ、この辺だけ偽SNS情報流すって、いくらお金がかかるんだろう? 

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支援職、最強になる~パーティを追放された俺、微妙なハズレスキルと異世界図書館を組み合わせたらえらいことになった。は? 今更戻って来い? 何言ってんだこいつ?~
― 新着の感想 ―
[気になる点] 残念ながらヒロインの方言?癖が強すぎて、割と好きなジャンrなのに中身が全く入ってきませんね。
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