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16酷インvs陽葵ちゃん1

「じゃ、先輩―い、今日はここでぇ♪」


「うん、陽葵ちゃん、今日は先に帰るね♪」


別れば名残惜しむも、再会ば楽しみにしてくるー先輩ば見送りながら、陽葵は覚悟ば決める。


先輩には今日、お父さんとデートと伝えてある。


でも、本当は先輩んため、あの日吉ちゅう女ん正体ば暴く。


「ひ、陽葵、頑張る!」


私は学校へ再び足ば向けると。


「え? 嘘ぉ!?」


思わず声が漏れた。


それは我が親友の莉子ちゃんからのlineだった。


『おやかたさまより密命が入ってしまって、ごめん。ヤバタニエン』


「あ“あ“あ“―――――」


なんでこげん肝心な時に!


なんと侍女兼親友の莉子ちゃんがまさかのドタキャンや。


万が一に備えて、莉子ちゃんには影から見張っていてもらおうと思うとったとに!


でも、行くしかなか。直接あの女ば問い詰めて、自白させるしか残された方法はなか。


「……陽葵、行くわよ」


私は自分に言い聞かせて震える足を学校ん屋上に進めた。


☆☆☆


「良かった。あの女一人や。」


約束した体育館の裏には日吉、樹先輩があたかもこの女に乱暴をしたとしか思えない演技ばしとー女だけが一人いた。一人だけじゃなく、彼氏の綱島とかいたら、流石にヤバか。


その時は機会を改めようと思うとったが、一安心や。

安心した陽葵は足ば進めて、日吉の元に向かう。


もう、足は震えとらん。


「あら?……厚木さん……ですよね? 私をこんなとこに呼び出して、どうしたの?」


「あの、大事なお話があります。海老名 樹先輩に関することばい」


日吉は表情一つ変えん。さすがだ。こん女は演技だけで先輩ば奈落ん底に突き落とした。


普通、挙動不審とかになりそうなもんやけど……。


それだけヤバか女ということだよね。


「で? 何なのかな? 私、樹君のことを思い出すと、ちょっと、怖くなって」


「一体、先輩があなたに何したって言うと? 何もしとらんのやなかと?」


陽葵は日吉を睨んだ。だけど、日吉はあからさまにうちば見下した態度。


「私は樹君が私に何かをしたなんて、一度も言ってないわ……それがどうしたの?」


「ふざけないでぇ!」


腹が立つ、わざとらしい。この女の演技のせいで、先輩はこん女ば乱暴した最低な人間て思われとー。なのに、ここまでとぼける? だったら、普通、誤解を解いてあげる筈やろ?


「とぼけないで! あなた、あの日乱暴されたって川崎先輩に言うたやろ? そして、その犯人が樹先輩だって言ったんやろう?」


「酷いわね。そんなこと言う? 私、あの時のことが忘れられなくて……いつも頭にあの時のことが頭に浮かんで、怖くて……早く忘れて……前に進まなきゃって……」


こん人……何? 悲劇んヒロインぶっとーと? 自分の犯罪隠すために先輩ば嵌めただけなんに?


何より、この人のせいで、先輩はまともな学校生活ば送れんのに!


「日吉先輩! 何が前に進まなと? 日吉先輩は綱島先輩と美人局をやっていて、それを見られたから樹先輩ば犯人にでっち上げたやろう? そして、先輩ば嵌はめて! なんに何、悲劇んヒロインぶっとーんと? 卑怯やろう!」


「あら、何故そうと思えるの?」


ニヤリ。突然、日吉ん顔が豹変し、歪んだ顔になる。

構わず私は話ば進めた。


「あの日、三浦先輩ちゅう人と日吉先輩はデートばしとった。そして、そこに綱島先輩に見つかり、綱島先輩は三浦先輩に自分の彼女に手ば出したと因縁つけて金品ば巻き上げた。だけど、ちょうどそん場面ば樹先輩に見られて、証拠隠滅に先輩ば嵌めて学校から追い出そうとした、違うと?」


「違うわね。私がデートをしていたのは海老名 樹君よ。川崎君から聞いてないの? 二人でデートしていたら、突然目眩がして、意識がなくなってきて、気がついたら、多分……あのいかがわしいホテルで一人でいて……そこで乱暴されたみたいで……確かに犯人が樹君ていう証拠はないけど、側にいた樹君が一番怪しいわよね? そうじゃなきゃ、誰が私を乱暴したの?」


「あんたと樹先輩はデートなんてしとらんばい。ちゃんと三浦先輩に聞いて来たけん!」


……もう、呆れてものも言えん。

こん女に引導ば渡してやろう。


「日吉先輩が樹先輩に襲われたっていうあん日……あんたと綱島先輩、そして三浦先輩、横浜駅ん路地裏におったんやなあ? 見た人がおると」


「なんですって?」


こん女ん顔色が変わるとがわかった。


よし、引っかかった。


「おかしかねぇ? 日吉先輩は樹先輩とデートしとったんやなかと?」


「……ふ、ふふっ」


突然笑いだす日吉先輩。ついに引導ば渡せたやろうか?


「黙って聞いてたら……何、調子に乗ってんの! このクズ! クソビッチ!」


突然、日吉先輩ん口調と表情が激変する。


これがこん女ん本性。


ぞくり。突然恐怖に襲われる。


「矛盾ば認めるんやなあ? どう考えたっちゃおかしかねぇ?」


「うるさい! その後の夜、樹とデートしたのよぉ!」


「夜? 何言っとーんと? 樹先輩は昼間に警察に事情聴取されたんですよ。あんたが被害届出したん昼間んことやなかと? ますます矛盾しとらん?」


「だ、だけど私と樹がデートしていたことは目撃者がいるのよぉ!」


「そりゃあんたん恋人の綱島先輩やろ? 警察から聞きました。やっぱりおかしかやなかと? 恋人の綱島先輩があんたと知らん男とデートしとーとば偶然目撃するなんて」


陽葵が止めをさすと、、こん女は何かば必死に考えとった。きっと何か反論しようと考えているんだろう。だけど、真実は一つ。嘘を証明するより真実を証明する方が簡単。


ふふ、どんな言い訳するか楽しみよね。


陽葵はさらに追い討ちばかけることにした。


「あ、言い訳考えるとに大変やて思うけど、警察は樹先輩ばあなたの証言に基づいて事情聴取したけど、あんたが訴えた時間には駅と反対ん本屋しゃんでアルバイトしとったと。それに何より! 警察ん科学鑑定で先輩がそげな行為ばしたかどうかは立証済と。先輩ん無罪は確定と!」


「―――――~~~~ッ!!!!」


私の止めの言葉に声にならん声ばあげる日吉。

この情報はブラフやなか。莉子ちゃんのお父さんのツテで得た真実や。


そもそも学校側も警察からこの事実ば得とーにも関わらず対処しないからこげん事態にはなったと。学校にも腹が立つ。


だけど、日吉は悔しそうな顔ばしとったが、こちらば激しゅう睨みつけて来た。


ここまで追い詰めてもまだ観念しないとか、ほんと根性悪か!


「で? それのどこに凛が樹を嵌めたって言う証拠があるんだ? 凛は言っただろう? 意識が朦朧として誰に乱暴されたかわからなかったって?」


「…………………………」


「つ、綱島先輩!」


ぞくりと悪寒が走る。まずか、いつん間にか誰もおらんやった筈の体育館裏に……綱島がおった。


いや、綱島だけじゃなかった……川崎。


こんな時のために莉子ちゃんに見張っとって欲しかったとに! 莉子ちゃんの馬鹿ぁ!


「調子にのんじゃないわよぉ!」


——ドン!


「きゃ!?」


綱島先輩に気ば取られた隙に、日吉に突き飛ばされた。


思わずよろめいて、倒れ込む。


「いつまでも調子に乗ってぇ……いい気になるんじゃないわよ! このアバズレ! ビッチ!」


もう、別人のように豹変した日吉が、ついにその本性ば現し、醜悪に顔を歪ませて汚い言葉で叫びだす。


「そ、それがあなたの本性やなあ? ずいぶんと普段と違うんやなあ?」


「五月蝿い! このブス!」


もう可憐な美少女を装う気がなか日吉にさんざん汚い言葉で罵らるー。


怖い。でも、スマホのマイクはオンにして録音しとー。


この記録を学校の掲示板サイトにでもあげれば、おそらく先輩ん無実は晴らせる。


でも、もう一押し言質が欲しか。


「その様子やと、やっぱり陽葵ん言う通り、先輩ば故意に嵌めたんやなあ?」


「そうよ、あのクソ間の悪い男を陥れて、学校から追い出す筈だったのよ! なんなに? あの男? 生意気に、俺は無実だとか、馬鹿なんじゃない? どっちを信じるのかわかんないの?」


「とにかく……日吉先輩は樹先輩に何もされとらんやった。美人局の現場ば見られたと思って、嵌めて学校から追い出そうとした? ……ってことでよかやなあ?」


「はあ? そうだけどそれがどうしたの?」


日吉は悪びれることものうあっさり白状した。

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