End(less) - 2
カスミ先生がいなくなったのが昨日にも関わらず、明日にはもう新しい担当官が着任するらしい
もう少し、気持ちの整理のために時間があってもいいものだと思うけど
それも、そうなのかな
ここが特殊な場所だからということもあるのだけど
視ることに関することに、特殊な力を持った者が集められている場所
どのようにこの場所が成り立ったのか
何かしらの意図があるのか
ボクは何も気づいてないようにしているけど
いくらなんでもそんなすぐに、新しい担当者が来るものだろうか
露骨にしてしまうと、カスミ先生がいなくなることが、偶然ではないって思えてしまうよ
何があったのだろう
何があったか、探らずにはいられなくなるじゃないか
(やめときな)
その言葉が、ボクの心の中で響く
やめておいたところで、この話が進むわけじゃないだろう
誰かが、何かを進めないと進展しないよ
その誰かは、カスミ先生から力を引き継いだボクたちではないの?
何があろうと、この話を結末まで進めると約束したから
どんな結末になろうと、ボクは歩みを止めないよ
コウセイは、もう動き出しているのだろうか
ボクよりも、いつも先の世界を見ていた
きっと、君じゃないとできないことがある
だから、ボクもボクにしかできないことをするよ
今日は、今後のことを考えて考えることにふけるよ
もしかしたら今日の方が、落ち着いた日常なのかもしれない
明日からの日常を、乗り越えて
誰にも予測がつかない安寧がをつかむよ
だから、みんな見ててほしい
いやな、予感はしていたんだ
カスミ先生が突然いなくなったことはもちろんだけど
「……コンニチハ、今日からこのカンソクを任せられることになった、アルガです」
新しい教官はどこかおかしかった
顔が蒼白で、健康とは言えないのは明白なのに
鬼気迫るような、視線で見てくる
なんでこんなにも重圧を感じるのだろうか
ボクだけではない
みんな、その恐怖を感じたのか、目を伏せてしまった
怖い
怖い以上の恐ろしい何かがある
こんなこと、あり得ないような視線を感じるから
何かを見つめようとして
何かを射殺そうと見つめてくる
何が不満なんだよ
ボクたちの何を見てるんだよ
そして、新しい教官はとある少女を連れていた
この少女も得体が知れない
それなのに、新しい教官とは全く正反対の雰囲気を持っていて
「初めまして。わたしは、シルビアと申します。どうか、仲良く―――――――――」
仲良く何だったんだよ
何かを感じ取って、ボクは聞き取りたくなかった
聞いてしまうと引き込まれてしまうから
アルガとは異なる恐怖
異なるとは思いつつも、アルガは目を合わせたくないことで安心できたが
その少女には何もかもを吸い込むほどの強さがあって
視なければいけない恐怖があって
これが「魅了」という表現と思い当たったとき、ボクはとてつもない不安感とともに
世界が閉じるように倒れ込んだ




