第1話:まだまだ、何もないよ。
――ガチャ…
ドアがあき自分の部屋に侵入者が入って来たことに気づかない少年。
侵入者は彼の布団に迷わずむかう
そして、侵入者は言う。
「…起きて」
「…zzz」
彼は、まだ起きない
「お〜き〜ろ〜」
「…ふぁぁ…」
ようやく起きたようだ
「そろそろ、着替えて」
「…無理。」
「なんで?」
「まだ、寝たい…」
「毎度のことながら…ユキちゃんのあさの弱さには困りますなぁ」
「…うるさい、休みなんだからいいでしょ」
「いっとくけど、今日は、入学式ですよ〜」
「………そうだっけ?」
「うん」
「…今何時?」
「8時」
「…始まる時間は?」
「えと…、確か集合が9時。」
「……寝る」
「あっそ…、ってダメダメ!!絶対間に合わないって!何いってんの!?あそこまで50分はかかるって!間に合わないよ!あたしまで遅刻したらどうすんの!?早く急いで!!」
「…分かったよぉ」
「早く着替えて!あたしが着せようか?」
「…いい、自分でするから」
「早く準備してね?」
「…はいはい」
――さて、ありきたりに自己紹介から
僕は、霧神 有希。身長158 体重49という悲しい現実。顔については、かわいいってよくいわれる…素直に喜べない。髪は、長め。性格はよく解らない。みんなからは、ボーっとしすぎっていわれる…。
「早く、急いで!じゃないと、走んないといけなくなるよ?」
さっきからせかすのは、双子の姉の美姫
体型はだいたい一緒、双子だし。顔は僕と瓜二つ、だって双子だもん。だから、見分けるために美姫が髪をくくってる。
自己紹介なんかは、これぐらいで…。
よし、準備OK!
「いこうか?」
「うん!」
僕たちが、通う学校は【私立東高校】
普通レベルの学校だ。2人で、仲良く話しながら登校していると。男子生徒二人が、こちらを見てはなしている。
――『お?双子じゃん、…二人とも可愛いな』
『どっちも女だよな?』
『多分、でも片方は、制服が…』
『二人とも女だろ?だってめっちゃ可愛いぜ?』
『制服間違ったとか?』
『違うだろ、男装趣味とか?』
「だってよ?ユキ。ばれちゃったね」
「…何が?」
「男装趣味が。」
「そうか、そうか、みぃはそんなに泣かされたいの?」
「ごめんなさい…でもユキじゃあ、無理だね。だってあたしより力よわいし。」
「…うるさい、これから筋トレとかして強くなるの!」
「無理だね、ユキじゃあ」
「なんで?」
「だって、…ねぇ。いっつもユキは中途半端でやめるし。でもユキは可愛いからいいの、それだけで。」
「…ひどい。」
「そういえば、ユキ…。」
「…何?」
「…一緒のクラス、なれるといいね。」
「うん!」