表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
意識覚醒、クラゲになっていました。  作者: 佐藤莉
〜第1章〜溟海帝国
2/29

〜2〜状況確認しました。

 どれだけ考えても思い出せないものは仕方ない、一旦頭の片隅に置いておくとしよう。

そのうち思い出すこともあるだろうし、現段階では必要ない事だ。

それよりも今必要な事は私がどこにいて、さっきの声は何だったのか、これから何をすべきか、だ。


 どこにいるのか。

私は水の中にいるのだと思っているけれど、正直断言出来ないし、私が勝手に水の中だと思い込んでいるだけで、実際は違うのではという可能性の方が高い。

けど、この体が重い、というより重く圧がかかっているような感じはまさしく水圧と言っても過言ではないだろう。

かなり不安を拭えないが、水の中ということにしておこう。


 次に、さっきの声は何なのか。

本当に急な事だったから一語一句覚えている訳では無いけど、何となくで覚えていることを上げてみると、あの声が伝えてきた事はまるでゲームにあるシステム通知そのものだった。

レベルアップとか、技を取得した時に鳴るような、画面に流れる簡易的な説明文を読み上げる、今までの私にとって決して考えられない、起こりえない事象。

けど、そもそも考えられない、起こりえない事象が起こってしまった時点でありえないというのはおかしい。

どんな事であるにしろ、今起こっていることが現実で、受け入れる他ない。

あの声は幻聴なんかじゃなく、本物だ。


 つまりは、私はゲームのような世界の水の中に来てしまったのだろうか。

よくあるRPGゲームのようなレベルを上げて、悪と呼ばれる存在を、転生もののよくあるもののように倒さないといけないのか。

それとも何もせずに悪とか正義とかを気にせず、スローライフを楽しんだらいいのか。

何があって、どのように、どうしてここに来たのかも分からない私はこれから何をすればいいのか分からないし、そもそも何も出来ない。

だって、今の私は流れに身を任せて漂うことしか出来ないクラゲの”何か”だから。


 もしかして、このまま死ぬまで流され続けるのだろうか。

なんか、それは、嫌だな。

うん、嫌だ。

何かしらやるべき事が必ずあった日常を当たり前に生きていたからなのか、何かをやっていないと落ち着かない。

まるで、自分の存在意義がないみたいに感じる。

……よし、取り敢えず今の体、クラゲの”何か”になったこの体について知っておこう。

でないと、する事を決めても行動できないからね。



 〜数時間後〜



 なんか、色々と疲れた。

私の超平々凡々な頭を駆使して色々試せるだけ試してみたけどこれって使えるのか、ということしか出来なかった。


 その一、体が上下に動くのを早くできる。

 その二、触手のような部分を自在に動かせる。

 その三、触手のような部分を短くしたり長くしたりできるが、一定以上の長さにはできない。

 その四、おそらく目のようなものが傘のような部分におよそ24個ほど付いていてら360度周囲を見渡せるけれど、微弱な光しか判断できない。


 触手だと思う部分を自在に操れたのはいいけど、あまりにも力が弱すぎてゆっくりとしか動けない。

そもそも、見れなくて何となくの感覚のみを頼りに触手と判断しているけれど、触手とは断言できないから触手(仮)にしておく。

触手(仮)をひたすら動かして暫く、目があることに気が付いたのはほんの少し前。

私がいる場所から感覚的に10mほど先だろうか、その先に一瞬だけ光るものが何回か確認できたからだ。

おそらく、ここに来て初めて見た私以外の何かだと思う。

その時、明らかに光の見え方がおかしかったので触手(仮)で何とか、長い時間をかけて目を確かめた。

するとどうだろうか、私の目の数はやはりと言っていいのか明らかに人間よりも多い。

数えるのは本当に疲れた。

にしても、目の数が多い割に光しか判断出来ないとはこれ如何に。


 そして、体が上下に動くのを早めるのが今のところ一番使えない。

ほんの少しだけ動ける速さが上がるだけで他はなんにも起こらない。

あ、けど体の何かの巡りが早くなったような感じがするが、もしかして血かなにかなのだろうか。

今までどれだけ視覚というものに頼ってきたのかを理解されられた。


 取り敢えず体の確認は終わった。

しかし、もし本当にここがゲームのような世界だとしたら、自分のステータスを見るとかは出来ないのだろうか。

世界からの伝達とかいうのが言っていた私の種族であろう名前を、一瞬の事で聞き取れなかったんだよね。

ステータスオープンとか言ったら何かの画面が現れるとか、視界の端に文字が現れるとか起きないだろうか。

あぁ、でも、この状態じゃ見ることなんて出来ないか……。




 《”世界より伝達”》

 《一定の願望を確認。世界の条件を満たしました》

 《常時発動スキル『自己理解』を取得しました》




 え、まっまた!?

そんないきなり世界からの、伝達って聞けるものなのか?

しかも、伝達から推測するに私は何かのスキルを得た、ということでいいのだろうか。

なんだろう、先程以上に体を作り変えられた気がして、気持ちが悪い。

完成されたパズルの一部を取り外して、そこに新たらしいピースを無理やり取り付けられるように接続部分を作り直して、新しいピースと一緒にパズルに戻されるような感じだ。


 ……なんだっけ、常時発動スキル、だったね。

この頭の中、いや、ほとんど見えない視界の端に現れたキャラクターの紹介文みたいなのがスキル効果なのだろうか。

色んなゲームにありがちなステータス表示をしているけど。



 ……うわ、私、すっごく弱い、弱すぎる。

何故だかMPだけ少しずつ増え続けているけど、HPが5しかないし、よくあるSPが存在しない。

元々持っていたのであろう保有スキルとかは後で確認するとして、全くもってよく分からないものもある。

その数値の限界値は∞で、今現在の私は1となっている。さらにその横には「神を信じましょう」という言葉。

これが表すのは、そう、本来数値化する事など不可能に近い、信仰度というものだ。


 こっこれは、もしかしてもなくどれだけ神様を信仰しているのかを数値化するものであっているのだろうか。

私は特にこれといって特定の宗教に入っていなし、神を信仰するなどは一切していない一般人だったので、神がどうこうなどは興味無いので無視するに限る。

けど、この信仰度というのはいらないし、正直消えるか、消せる機能が欲しい。











 * ※ * ※ *


 《ステータス》

 名前:無し

 種族:シュヴァハ・クヴァレ

 HP:5/5

 MP:296〜/296〜(現在増加中)

 信仰度:1/∞(もっと神を信じましょう)

 耐性:毒(弱) 麻痺(弱)

 発動中スキル:『自己理解』『触手毒(弱)』『触手麻痺(弱)』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ