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51. 姉と弟 中編


「見覚え、あるかしら?」


突如として現れた箱と髪飾り。それはつい先日アデルがリアンに渡したものであった。


(どういうことだ……?)


当然、その髪飾りはアデルがリアンに渡したものであるから、見覚えがある。にもかかわらずこの試しているようなーー否、試しているのであろう台詞に困惑を覚える。


「ええ。先日僕が貴方に渡したものですね。……どこか、気に入りませんでしたか?」


「そう」


そう短く呟いたリアンにアデルはますます困惑する。一体この人は何がしたいのだろうか。その疑問は次の一言に潰された。


「じゃあ、これは?」


リアンが懐から取り出して見せたものにアデルはガタッと音を立てて腰を浮かした。


「それは……盗聴器……」


魔法陣は浮き出ていないもの、平たく黒い四角い形状とアンテナを見て判断する。


「ええ、それも高性能の。でも安心して頂戴。この盗聴器は壊してあるから」


アデルはそれを見つめながら考える。自分はリアンに盗聴器を仕掛けた覚えはない。なら、当然、あの男だろう。


「でも……一体どこにそれが……」


「本当に何も知らされてないのね」


そう言ってリアンは箱から髪飾りを取り出す。そしてさらにその下のクッションを剥がし、箱をひっくり返した。そして底を一回叩き、ひっくり返す。すると箱の底に僅かな隙間が出来ていた。さらにそこに爪を引っ掛けて剥がずとーー


「ッ!」


ーーそこにはもう一つの底と盗聴器が入るだけの十分な隙間があった。


「……これって」


「ええ。見ての通り、底が二重になってたの」


それを見たアデルは暫く隙間を見続けてたが、やがて弾くようにハッと顔を上げる。そこには僅かに反射したレンズがあった。


「問題ないわ。それも既にハッキング済みよ」


そう言ってリアンはサッと魔法陣が僅かに回転している小型機器を見せる。


「……ハハッ、凄いな……」


「では、聞かせてくださいな」


その言葉を聞いてアデルは悩む。盗聴器や監視カメラ。概ねこちらを疑っているのだろう。だが、どちらもこちらを糾弾する決定打にはならない。そして話を聞こうとしているということは、決定打がないのか……それとも。


「まあ、話したくないのなら話さなくても言いけど。ね? エリオ」


「な……!」


アデルーーもといエリオは絶句した。


「さすが……なんでもお見通しなんですね」


そう呟いたエリオは笑っていた。




前回同様、更新が遅れて全く反省の色が見えない作者です。すみません。ここまでお付き合いいただきありがとうございます。一応まだ続くので、よろしくお願いします。

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