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うちの王女殿下は女王になる為なら手段を選ばない  作者: 白
第二章 喜べぬ再会と仕事
33/53

32. 女王の呼び出し


二週間後。


リアンの姉のエランはイドルイデに帰った。そしてようやく処分が決まった婚約破棄が公表された。

そしてリアンは現在、女王の執務室の前にいる。

コンコンとリアンは軽く扉を鳴らす。


「どうぞ」


扉を開けて中に入ると、書類に囲まれた女王がいた。

女王はリアンが入ってくるなり顔を上げた。


「リアン、久しぶりですね」


「はい、久しぶりです。……今回はどんなご用件ですか」


「あなたのイドルイデ国の訪問についてですが、一週間早まりました」


「そうですか」


これは予想していたので、正直驚かなかった。


「それと……」


女王は引き出しから書類の束を取り出すと、リアンに渡した。


「そこの書類はあなた宛のものです」


リアンは渡された書類に目を通す。

そして何回も書類の初めの文を読み返す。

そこには紛うことなく「縁談」とあった。


「……は?」


顔を上げると、女王が腹黒スマイルで待ち構えていた。


「さすがに、この年で婚約者がいないのは問題だとありまして。試しに集めてみたらすごい量ですね。驚きました。しかも、隣国からも来ていますよ」


リアンは笑った。但し、目は全く笑っていなかった。


「要らぬ贈り物ですね。……これは早々に燃えるゴミに分別しなければ」


リアンは握り潰しそうになるのを必死で堪え、代わりに反対の手で服を握り締める。


「ええ、私としても、これが一刻も早く燃えるゴミに分別できればなんと良いことか」


そう言ってにっこりと微笑む女王は完全にこの場を楽しんでいた。


(ひどい母親ね……)


娘に対してそれはどうかと思うが、自分も母に同じようなことをしているのを思い出し、その言葉を飲み込んだ。


「これでも少ない方ですが」


「わかっていますよ」


リアンは飛びっ切りの笑顔を女王に向けた。


「それに、私が不満なのはこれの量ではなく、存在なので」


「ふふふ、あなたならそう言うと思いました」


これすらも受け流されたため、リアンはこれ以上仕掛けるのを諦めた。


「もう戻っても?」


「どうぞ。それとリアン、随分と楽しそうね?」


ドアノブに触れる直前、一瞬だけ手が止まる。


「……失礼します」


その動揺を隠すようにリアンは平然とした顔で扉を閉めた。








自室に戻った途端、リアンの顔は思案顔になる。


計画は明らかにバレている。影か。


「リアン様、お戻りになられましたか」


リアンは顔を上げるまでもなく、イベルだと特定すると、命令を下す。


「今すぐみんなを呼んで。会議を開始する」


「承知しました」





影とは女王が持つ精鋭の諜報機関です。

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