3.新たな縁談
卒業式パーティの翌日、リアンとジルクの婚約破棄が正式に発表された。
パーティの後シェイラが王宮に来てリアンがシェイラを虐めていないこと、あの三つはリアンが言った通り事故だったこと、あれを見たジルクが勘違いし、暴走したことなど必死に女王陛下に弁解した。
その上ジルクを暴走させたことについて償うと言ってやまなかった。
これを聞いた女王陛下はジルクとシェイラを平民に監視付きで落とした。
「婚約破棄、おめでとうございます、リアン様」
「本当、あんな奴と婚約破棄できたこと、心からお祝いしますよ」
「ありがとうね、コレー、ラン」
コレーとランはリアンの専属侍女だ。
「にしても、シェイラ様も落としちゃってよかったんですかね」
彼――イベルは手紙を持ってリアンに渡した。
「彼女本気でジルクに惚れていたみたいだからむしろ喜んでいたわね」
「本当ですか………ところでリアン様、女王様に呼ばれたようですね」
イベルはリアンが開いた手紙を覗く。
そこには女王陛下からの呼び出しがあった。
「こうなるとは予測していたわ。行きましょう、イベル」
「お召し替えされないんですか」
「もう、してあるわよ」
「……さすが、リアン様。……無駄に早い」
「何か、言った?」
「いいえ、何も」
イベル澄まし顔で返事した。
***
リアンはイベルと女王の執務室に入ると、そこには女王と公爵がいた。
女王はリアンが入ってくるなり人払いした。
「よく婚約破棄しましたね」
女王の第一声にリアンは苦笑する。
「まあ、いいですが。あれは女王になるには必須のことでしたし」
「さすがお母様。全てお見通しですか」
「ふふふ、条件付きであなたを女王に推薦しましょう」
急にリアンの顔が真剣な表情になる。
「その条件はなんですか」
「ただで女王にするのはつまらないでしょう? だからあなたにいくつかの縁談を持ってきました。それらを乗り越えてきてもらいましょうか」
「さすがお母様、腹黒いこと」
「安心なさい、あなたも十分腹黒です」
「安心の要素がないんですが」
女王は目を伏せると言った。
「それは良しとして、最初の縁談はアスコール公爵家次男のリューグです。先日のジルクの詫びも入れた話ですね」
「………」
リアンは無言のまま固まった。
「検討中として一カ月確保しています。その間に帝国の第一皇子ラディムがこちらに留学する予定です」
「………」
女王はリアンに書類を見せた。リアンは機会のようなぎこちない動きでそれを受け取る。
「話はこれで終わりです。頑張ってくださいね、リアン」
「………」
リアンはショックのあまり脳が情報整理を受け付けず、無言のまま部屋を出ていった。




