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20. イベル女装計画


「てことで、イベル、また女装お願いね」


「ええぇぇぇえッ!」


イベルは盛大に顔を引きつらせた。


「またですかァ!」


「ええ、またです」


リアンの即答にイベルはガックリと肩を落とした。


「今度は何の女装ですか……」


「例の従業員です。私は忙しいので従業員にはなれませんし、化粧すれば何とかなるでしょう」


「け、化粧。しなきゃダメ……?」


「ただでさえ私と似ているのよ?ダメに決まっているでしょう」


イベルは今度こそ女装を回避するべく考えるが、冷静さがかけているのか、いい案はでなかった。


「ランたちじゃ?」


「コレーは仕事がありますし、ランだと何をしでかすかわかりません。それに、ランは演技下手ですからね」


「結局こうなるのか……」


イベルは死んだような目をして放心した。


「他の者はあまり信用おけないし、巻き込みたくはありません」


「従者を巻き込んでおいて、よく言うよ」


「従者は主人の者ですからね」


イベルはジト目して言った。


「……給料、いつもの二倍もらうから」


「衣食住が保証された環境で、ろくに使えもしない給料なんて、余計にもらっても余るだけでしょう」


イベルはカッと目を開いた。


「貯めてるんだよ!貯金!未来の僕の為にッ!」


「何に使うのよ」


「僕の夢のためだよッ!!」


「夢?」


眉をひそめるリアンにイベルは頷いた。


「そうだよ。いつか、世界中を旅する夢だ!」


たちまち、リアンのイベルを見る目が哀れなものを見る目になった。


「大変壮大な夢ですが、それが叶うには随分労力がかかりそうですね?あなたは従者の中でも優秀の部類で、尚且つ私の影武者もできるとなると、国が手放そうとはしないでしょう。当然、私もですが」


「そうだよ!頑張ってるんだよ!代わりを探すのを!そうそう僕と釣り合う人がいなくて苦労してんだよっ!!!」


「でしょうね」


それだけを言うと、リアンは手をパチンと鳴らした。

すぐさま侍女が雪崩れ込み、イベルを着せ替えた。


「うわっ!、ちょ、え、なに?ッーーー!!」


なんか声にならない悲鳴が聞こえた気がするが、リアンはスルーする。

一瞬と言っていいほどの速さで着替えられたイベルを、リアンはじっくり観察する。


「もう少し髪を濃くして。それからそばかすを入れて。あくまでも、従業員と言う一般人ですから」


リアンの要望にやはり一瞬でなったイベルを見て、リアンは頷いた。

すると紙にイベルの格好の詳細を書いてから、イベルを元に戻した。


「もう、十日分の気力を使い果たした気がする」


そのセリフを言い終わった途端、イベルは気絶した。

そのあと、三日後にイベルは復活した。




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