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13. 黒幕


リアンは魔道具を使ってマルナリウの砦にワープした。

マルナリウはちょうど帝国との国境付近にある砦だ。

その頃巡回していた兵士は突然リアンがやってきたのに目を丸くしたが、すぐに馬を連れてきた。

リアンは夜会の招待状と同じ時に、マルナリウにワープしたらすぐ馬を連れて来るように書いていたのだ。

リアンは馬にまたがるなり森の中の街道を越え、国境を越えた。

ちゃんと偽の身分証も持っている。

リアンは帝国に入るとラディムが所有している土地に向かった。

ついたのは真夜中だった。

リアンはそこを散歩する。

街を歩き、村を渡り、リアンは国境に戻った。

リアンは馬を走らせながら考える。


(ラディムが所有している土地は皆治安がいい。今までスラム街はなかったし、スリもなかった。何より今年は豊作でしょうね)


普通の街ではやはりスリなどがあるが、それがない。それはその街を管理する者の優秀さを感じる。

ラディムが優秀なのか、その部下が優秀なのか。

その答えはとうに出ていた―



砦に戻るなりリアンは管理者に地図をもらった。

前方が森で囲まれ、側面は別の国に挟まれている。

その西側が姉が嫁いだ場所だ。

リアンは地図を確認すると、地図を丸めてワープした。



王宮の地下室にて。一人の罪人が鎖で縛られていた。

その名はナライマ。サロンでリアン―女装イベルを襲った人である。彼は密かに取り調べがされていた。

尋問でウィケル公爵が犯人だと言った。

それを知ったリアンはまた旅に出た。



リューグはふと屋敷が騒がしいのに気づき、従者を呼んだ。


「何が起きてるの?」


「リアン殿下がいらっしゃいましたわ」


女性の従者が答える。


「え?何用?」


「リューグ様に用があるようです。客間におります」


「じゃ、行くよ」


「はい」


そう頷く従者の顔は憂鬱そうだった。


「パトラ、どうした?」


パトラはすぐ表情を戻す。


「なんでもありませんわ、リューグ様。もう、客間です」


客間の扉を開けるとリアンがソファーに座っていた。


「久しぶりです、リューグさん」


「お久しぶりでございますね、リアン殿下。本日は何用でしょうか」


「その前に人払いをお願いします」


「わかりました」


侍女たちは紅茶を入れると素早くその場を去った。


「単刀直入ですが、リューグさん。…侯爵に私を襲うように言ったのは、あなたですね?」


リアンの目は鋭くリューグを捉えていた。




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