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無重力

掲載日:2019/03/12

私は長い間生きてきた、

地面に這いつくばって生きてきた、

地球に引っ張られて生きてきた、

大地と共に生きてきた。


私は空を見上げていた、

空には数多の子供がいた、

皆んな楽しそうな顔をして、

自由自在に泳ぎまわっていた。


私は地面から離れられず、

ただ両手ばかりをぱたぱたと動かしてみたりしたけども、

それごときで飛べるものでもなく、

今日だって空を見ている。


やがて大きくなって、私は理科を学んで、

本当はみんな地面に引っ張られるはずなのよ、と教わった、

それがただしいはずなのに、

あの子たちはなぜ空を飛べるのだろうか。


私は長い間生きていく、

子らもいつか地に落ちて自分の足で歩いていく、

私は長い間生きてきた、

ずっと自分の足で歩いてきた。


愛されていると知っている、

愛されていると知っている、

愛されていると知っているのに

「愛されない」と涙が言うのはなぜなんだ。

なんでなんだよ。

教えてくれよ。


疲れただけでハグをしてもらえる、

眠る前にひたいにキスをもらえる、

おにぎりを握りなおしてもらえる、

何も言わずに話を聞いてもらえる、

寂しいときは頭をなでてもらえる、

それだけのことをしてもらえる、

もらえない、もらえない、

私が悪い。全部私が悪いのだ、と楽な解決をして

古い熊のぬいぐるみと抱きしめあった。


これも全部思春期だ、

大人になるうえで必要だ、

保険の先生も言っていた、

こぼれる涙も思春期だ、

ホルモンの暴走の作用点だ。

だから悲しくなんて無いんだよ。


あいも変わらず空を飛び続ける子らがいた、

親に大事にされた子供には重力がかからないんですって、

地球よりも強く抱き上げてくれる父が母がいるから。


私は長い間生きてきた、

地面にはいつくばって生きてきた。



重力の作用点は物体の中心にあるように書きましょう。

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