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マトリョーシカのネズミ  作者: 相葉俊貴
8/23

―08― ***目は口ほどに――

 死を語る、目の存在感。三白眼が脳裏から離れない。きょろりともしなかった。目があった。確実に。生きていてくれたのなら、声があったはずなのに。あのトランクで空転していたのは、凛だけだった。

 動転しつつも頭のどこかは冷静で、車に鍵をかけるのは怠らなかった。

 コップに溢れるほど注いだ水道水を飲み干す。加速する心臓の動きはいっこうに落ち着かない。友也が車に乗るなと言った理由はアレなのか。若い女性の死体。

 まさか、友也が……殺したのか……。

 凛は頭を振った。友也に限ってそれはないと信じている。……しかし。

 現にそこに死体はあるのだ。どうしよう。ついに凛はその場に崩れた。

 絶対に手放さないと決めた幸せが、メキメキと音を立てて崩れていく気がした。

 わたしは幸せになれないのか。そこまで幸せというのは遠いのか。

 日が陰るまで、そして日とともに陰行く凛は、いつまでもそこから動けずにいた。

 取り込まれなかった洗濯物がはためいている。

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