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異界人。(仮題名)  作者: ミッチー
第1章
9/11

第8話 どんな夫婦もやっぱり今は母が強い

数分後……


「すまぬ……シエル。 もう大丈夫だ」


父さんはそう言って、姿勢を崩してその場に座り直した。


「本当ですか?」


「うむ。 それよりだ。 ソラ、その獣共はなんだ」


「獣言うな! 儂らは獣人だ!」


「獣も獣人も我らにとっては生肉同然だ。 細かく切り刻まれ、弁当に入れられグチャグチャに潰れた悲しいオカズの一つとなれ」


「お前こそ、ピーマンと唐辛子を間違えて苦しませてやろうかぁ! あぁ!?」


「それ、間違えないし、間違えても別にそんな苦じゃないよね?」


「甘いな。 間違える間違えない以前に、我は緑の物は食わん」


「本当に甘いよ。自分に甘すぎるよ」


「え〜その歳で野菜嫌いとか〜笑えルゥ〜」


うわぁー……

自分が言われてる訳じゃないけど……スゲェムカつく。


「お前みたいなお子ちゃまが生活習慣病になって尿管結石とかになって地獄を見るんだよ!」


「貴様こそ己の体毛を口に詰まらせて窒息しろ!」


父さんとおっさんの言い合いは、ドンドンエスカレートしていく……


「あの二人はもうダメね」


「ごめんなさい。 馬鹿な獣人なもので……」


「いえいえ、内の夫もゴミ屑なので」


「ご、ゴミ屑まで言っちゃうんだ……」


「流石に酷すぎたわね。 じゃあハウスダストで」


「それ、ほぼ変わらないって言うか、もっと酷くなってるよね!?」


「そんなことより、ソラ」


俺は、母さんの声に一瞬体を震わせた。


「…………」


「…………本当にごめんなさい」


父さんも……さっき……


何故なのか、その理由を聞く前に、母さんは口を開いた。


「毎晩こうやって抜け出して、人の世界の仕組みなんかをこの方達から学んでいたのよね」


「うん……まぁ……」


「ありがとうございます。 ソラに人の世界を教えてくださり」


「い、いえ……私は全然。 そもそも、最初に見つけたのはコテツさんですし」


「そうだったんですか」


母さんはそう言って、父さんと言い合っているおっさんを見た。


「ソラ、ごめんね……ずっとあなたを……私達と同じだと……騙して、逃げ続けて……」


あぁ、そうか……そういう事か……

母さん達にも、やっぱり罪悪感があったんだ……


「お母さんも、お父さんも、ずっと怖かったの。 本当の事を話したら、ソラは離れていってしまうんじゃないかって……でも、本当にソラの事を思ってるなら、ちゃんと本当の事を話して、それに向き合わなくてはいけなかった……」


「……!?」


「本当に、ごめんね」


母さんは、そう言って俺を両手で抱いてきた。


…………俺も、謝らなきゃいけない……


「母さん、俺も……」


そう言葉を発した瞬間だった。


「もう我は我慢ならんぞ!!」


「上等だァッ!! かかってきやがれ!」


後ろから二人の叫ぶ声が聞こえてきた。

いったい、何をする気なのか……


俺は出かけた言葉を飲み込み、父さん達に顔を向けた。


「「ッ!?」」


父さんは、何故か服を全て脱ぎだしていた。


「む? なんだ?」


「なに晒してんダァァアッ!!」


「ブベぉッ!」


俺は、父さんに飛び蹴りを食らわす。


「なんで全裸になってんだおのれはぁ!」


「し、仕方ないだろう……このまま元の姿になったら服が破けてしまうではないか……」


「少しは隠れて着替えるとかしろよッ!!」


「それではカッコがつかんではないか……」


「喧嘩売って急に全裸になる方が何万倍もカッコ悪いわァッ!!」


ドスン!


「ソラ……少し離れてくれる?」


後ろに、いつの間にかドラゴンの姿になった母さんが殺意をむき出しに立っている。


「あなた」


「ち、違う……シエルッ……話を聞いてく……」


「私が、聞くも涙も語るも涙の良い話をしているのに……あなたは……」


いや、あれはドラゴンの姿っていうより……


「話の腰をッ! 折らないでッ! くれますカァッ!!」


ドスン!


「か゛! っぶら゛!! しェああ゛!!!!」


その声と共に母さんは人の姿の父さんを何度も踏みつけ出した。


「フンッ! フンッ! フンッ!」


鬼だ。

あれははんにゃだ。


「ね、ねぇ……ソラ……君」


「ん? ああ、心配しなくて良いよ、普段の事だから……」


「いや、そうじゃなくて……」


「?」


「ソラ君の親って……あの伝説の……」


伝説?


「天空の支配者……青空のカエルム……白雲のシエル……伝説の番竜つがいりゅう……」



ーーーーーー



「お見苦しいところをお見せしました。 ほら、あなたも……」


「うゥ……」


まるで子供みたいだなぁ……


「い、いえ……こちらこそ……」


「いきなりこんな姿を見せては驚くかとは思いましたが、すみません……我慢できませんでした……」


「いやぁー確かに驚いた! まさかソラの両親があの天空の支配者……あの番竜だとは……そしてその夫がこんなにも……ププ」


「貴様……言いたい事があるなるちゃんと言ってみたらどうだ……」


「いや。 別に儂はなにも?」


「ならその薄汚い口を閉じろネコ科動物! マタタビ口に突っ込んでやろうかぁ!」


「やってみろ! つかやってくれ!」


「もうこの二人は一回死なないとダメだな」


「ソラ君、多分一回じゃ足りないと思う」


「じゃあ三回ぐらい殺しておきましょう」


「どうやってよ……」


父さんとおっさんは、また話から外れて行った。


「まぁ、あの馬鹿二人は放っておきましょう」


「そうですね」


「で、なんでまたあなた方獣人達とソラが出会ったのですか?」


ああ……そこらへんも話さないと、また色々めんどくさい事になりそうだなぁ……


という事で、俺はライアと一緒に出会った理由、そして、教団の事についてを全て話した。


「……という事です」


「ならん! それはならんぞソラ! こんなどこの馬の骨とも知れない奴の下につくなど絶対にならん!」


「誰が馬の骨だ! せめて虎の骨にしろ!」


「いや、馬の骨ってそういう意味じゃないですから」


「別に大丈夫だよ父さん。 大体、そういう契約の元、色々教えてもらってたわけだし」


「なら! 我もその教団とやらに入れてもらおう! そして、我がその教団の団長になる!」


「なに勝手な事言ってるんだ! 儂の教団なのだから儂が団長だ! お前が入るのは許すが、団長は譲らんぞ!」


「入るのは許すんだ……」


「まぁ、団員がまだ全然いないからね」


「我は許さん! 許さんゾォ!!」

ご閲覧ありがとうございました!


そろそろ夏休みだなぁ……


正直、夏休みっていい思い出ないんですよねぇ……

てか、悪い思い出でもないんですよ。


なんかあるかなぁ……って思ったまま、宿題だけ残って終わるんですよ。毎回。


ある意味地獄です。

友達いないからね。仕方ないね。( ; _ ; )


あ、そうそう。

見ている方がもしいたなら聞きたいのですが、キャラクターの言葉の前に、そのキャラクターの名前って入れた方が良いんですかね?


例。

ソラ 「ほにゃらら」


なんか、登場人物増えてきたから、誰が喋ってるかわかんなくなってるような気がするんですよね。

もちろん、僕はわかるんですけど。


そこらへん、意見が欲しいです。


ちょっと長くなってしまったんで今回はこの辺りで。


でわ! ノシ

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