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クズはクズ箱の中でもクズでした  作者: モモノ猫
序章 プロローグ
2/45

2話 プロローグ2 クズ、オリエンテーションに参加する

「理解したか? 」



 冷めた声が、俺をたたく。

 ここは地獄、俺は美しい獄卒にベットの上で今後についてのレクチャーを受けていた。



「それってどうなの…」


「どうなの とは? 」


「セルフ地獄ってなんだよ? 」


「だから、勝手に魂の洗浄を終えて、勝手に次の輪廻の流れに乗れ。

 魂の洗浄には大抵苦痛がともなう、それを罰とする。

 おめでとう、貴様は心の強さで我々に認められた。苦痛に耐え見事に魂の洗浄を終える事だろう」



 やる気のないお褒めのお言葉とともに、大雑把なこれからが告げられた。

 獄卒ちゃんの素っ気ない態度は、俺への不当な暴力の後も続いている。

 もともと荒っぽい口調のようだが、現状俺には脈が無いらしかった。



「ちなみに、心の強さが認められなかったら、どうなるんだ? 」


「こちらの方で強制的な洗浄を行う、貴様がそれを望むなら、私はそれを歓迎しよう」


「結構です」



 先ほど鉄格子を吹き飛ばした彼女の剛腕を忘れた訳ではない。俺は長い者には巻かれるタイプだ。

 本能が俺に即答を選ばせていた。ちなみに俺の吹き飛ばされた腕はいつの間にか元通りだった。

 獄卒ちゃん曰く、魂が生前の形記憶しているのだそうだ。その為、腕が無くなっても生えてくるらしい。



「そうか、残念だ。詳しい話は別の者がオリエンテーションを開く事になっている。勿論、参加するな? 」


「参加しない選択があるのか? 」


「自由参加だからな、参加の意思を聞く決まりになっている。

 参加しないのであれば、ただちに刑を執行する 」


「参加するよ、情報は大切だ」



 俺の返事が終わると、世界が崩壊した。

 白い世界が一瞬で黒い世界に塗り替わる。ベットに座っていた俺はいつの間にか黒い世界に1人でポツンと立っていた。



 ◇



 ―――!?

 周りから人の気配がした、それもかなり多い。

 真っ暗で何も見えないが、周りから会話が聞こえ始める。

 俺もそれに参加しようとした時だった



「静粛に!! 」



 辺りが静まり返る。声量は小さいが深く重い頭に響いてくる声だった。

 俺も同じだが、この中に反抗心の有る者はいないようだ。


 ライトがともると、光が一人の男をうつしだした。

 そこには偉そうな服を着た男が立っていた。

 恰幅よく顔がでかい、口の周りを覆う黒いひげが印象的だった。



「それでは、オリエンテーションを開始する。

 これより質問は認めん。オリエンテーション後各自担当に行え。


 各担当者から聞いていると思うが、お前たちの最終目的は魂の洗浄だ。

 方法は問わないが、大まかな指針は示すつもりだ。

 具体的には、これよりお前達にはとある世界で好きに生き、好きに死んでもらう」


「「!?」」



 辺りから困惑に満ちたどよめきが起こる。



「静粛に!!


 勿論、ただ生きてもらうだけではないのだがな。ペナルティを受けてもらう。

 ペナルティがどの様なものかは各自で確認しろ。

 各自、目を閉じて自分の体調を思い浮かべろ」



 言われたとおりに行う。


====================================


 ??? 21歳 男 人間 


 レベル:1

 HP :1/1

 MP :0


 筋力 :1

 体力 :1

 敏捷 :1

 魔力 :0

 耐久 :1

 耐性 :1


 next :?

 経験値:0


 スキル:なし

 技  :なし

 魔法 :なし


 称号 :罪人     

 特性 :地獄の囚人 獄卒の不興 罪の代償


====================================


 なんですのん…これ…

 それはガキの時にやったRPGゲームのステータス画面だった。



「「!?」」



 また、辺りから困惑に満ちたどよめきがうまれる。



「静粛に!!


 それがお前たちのペナルティだ。

 これからお前達は弱者をロールプレイする事になる。

 その為に、自分を把握するステイタス画面は必要だろ?


 悲観することはない。

 弱者としての人生を謳歌する事はゆるされている。

 できるなら、ペナルティをはねのけても構わない。

 好きに生きて好きに死ね。


 ただし、魂の洗浄を忘れるな。

 忘れても構わんが、それはお前たちにとって不都合な事になるやもしれんぞ。


 後は各担当に任せる。以上だ」



 オリエンテーションが終わった瞬間、辺りがまた暗くなった。

 もう一度ステイタスを確認する……なんでこんなに弱いんだ?

 理由は簡単だった。


====================================


 :特性:

 地獄の囚人 「全てのステイタスを低下する。低下値は罪の重さに比例する」

 獄卒の不興 「罪の重さが大幅に増加する。増加値は獄卒の怒りに比例する」

 罪の代償  「罪の重さに比例した経験を得るまで、経験値を取得出来ない」


====================================


 獄卒ちゃん怒ってんのかな…

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