空気嫁型人造人間キヨメさん ～俺に会いに来た超絶美少女の正体は俺専用の性欲処理用人造人間だったという至極健全なお話～

忍者型人造人間マモリ

「あのさ、キヨメさん言ってなかったか？」

「何をですか？」

「相手が嫌がっているのに無理やりとか、そういうのは駄目だって」

「あー」

「だから、な？　ほら。そこ退いて」

「でも創太さん嫌がってないじゃないですか」

「はぁ!?」

「だって……ここ」

　ぐりっ、とキヨメさんが俺の股間に下半身を押し付けながら、腰を回す。

「そ、それは……！」

「体は正直みたいですよ？　嫌がるどころか大喜びしてます」

　当たり前だけど、やっぱり気付いてやがったか。

「お前！　それは生理現象みたいなもんで、俺の意思とは関係無い……」

「創ー太～……さんっ」

「ちょっ――」

　キヨメさんが上半身を倒して、顔を近付けてくる。

　そのまま俺の首に腕を回すと、目を瞑って唇を合わせてきた。

　要は、キスされた。

「んんっ!?」

　抱きついた事で、俺の堅い胸板にキヨメさんのデカい胸が乗る。

　互いの体に挟まれた柔らかい胸は、押し潰されて形を変える。

　横からはみ出るこのボリューム感。

　そして、見た目のサイズからわかってはいたが、こうして上から乗せられると改めてその重さを感じる。

「ん、ふ……ん…………」

　鼻がぶつからない様に少し顔を傾けたキヨメさんが、深く俺にキスをして、口内に舌を差し込んでくる。

　俺の舌に巻きつける様に伸びてくる、キヨメさんの舌。

　俺は恥ずかしさから、それから逃げる様に舌を動かすが、それでも狭い口内では逃げ切れず、何度も追いつかれて舌が触れ合う。

　触れ合う度に、ゾクッ、ゾクッと背筋に走る、快楽の電流。

　唾液と粘膜でぬるりと滑るその感触が、もどかしくも気持ちいい。

　いっそ自分から舌を絡めにいってしまいたいが、妙なプライドでブレーキがかかってしまう。

　彼女を力づくで退かす事も出来るのに、そうしていない時点で遅い気はするが。

　しばらくすると、キヨメさんは逃げ続ける俺の舌を追うのを止め、今度は俺の歯や歯ぐきに舌を這わせ始める。

　丁寧に上下の歯ぐきを舌先で舐めていき、歯の表面や裏側にも舌を伸ばしていく。

　そんな場所を舐められても、と最初は思ったが、実際にやられると驚いた。

　自分の舌で舐めても何も思わない場所だが、他人の舌で触れられると、そこは敏感な粘膜の一部としてしっかりと体が反応する。

「ぷはっ」

「はぁ……ぅ……ん」

「ん？　…………んふふ♪」

「っ！」

　しまった。

　油断してた。

　キヨメさんが一瞬唇を離した瞬間、変な声が出てしまった。

　キヨメさんにも気付かれた。

　嬉しそうな顔で俺を見てやがる。

　恥ずかしさで顔が熱くなる。

（クソッ！）

　なんとなく悔しくて、八つ当たりする。

「きゃっ」

　驚いて一瞬体を震わせ、動きを止めるキヨメさん。

　俺が左手をスカートの中に入れて尻を揉み、右手では太ももを撫で擦り始めたからだ。

　散々ちわさんと暴れまわったせいだろう。

　肌には汗がにじみ、下着もじっとりと濡れている。

　キヨメさんの下着は元々生地が薄い物なのだが、汗で濡れて体とぴったり密着しているので、尻を触った時の感触がより素肌に近い物になる。

　そして、布地に遮られず直接触れられる太ももは、やはり想像していた通り、最高の触り心地だった。

　すべすべとして、きめ細かい肌。

　柔らかくも程良く張りがあり、いつまでも触っていたくなる。

　前に触った幼い姿の時の物とは、また別な感触。

　そうやってキヨメさんの体を触りながら、今度は俺の方からキスをすると、今まで逃げ回っていた舌をキヨメさんの口の中に伸ばして、自分から積極的に絡めにいく。

　勿論、キヨメさんはそれに対して喜んで答えてくれるので、互いに伸ばしあった舌はぬるぬると触れ合い、絡み合う。　

　舌を絡ませる事で、今まで意識していなかった事がわかる。

　人の舌の表面は少しザラザラしている事とか、柔らかそうに見えて、筋肉質なだけあって弾力がある事とか。

　舌や口内を刺激する事で、大量の唾液が分泌される。

　俺が下に居るので、その二人分の唾液が俺の口の中に溜まる。

　それをキヨメさんが上から吸い上げようとするのだが、上手くいかない。

　その内に口角から溢れだしそうになるので、その前に俺がごくりと飲み込む。

　少しとろりとした生温かい液体が、喉の奥を流れていく。

　最高の気分だった。

　女の体と初めてこんなに触れ合った。

　舌を絡めるディープキスなんて事も、初めての経験だ。

　はっきり言って、興奮してる。

　股間は制服のズボンを限界まで押し上げて、苦しい。

（もう、限界だ）

「ひゃっ」

　キヨメさんの体を抱え込むとごろりと横に転がり、上下を反転させて俺が上になる。

「キヨメさん……」

「創太さん……」

　キヨメさんの目元が潤んで、頬が赤らんでいる。

　色っぽい。

　やっぱりこの人は綺麗だ。

　顔も、体も、全てが。

　間近で好意を向けられ続けて、性的行為を求められ続けて。

　俺がどれだけそれに抵抗するのに必死になっていたか。

（我慢も限界だ）

　キヨメさんの制服を捲り上げて、胸を露出させる。

　少々乱暴にやったが、キヨメさんは抵抗しないどころか、嫌がる素振りも一切無い。

（何度見ても凄ぇな、これ……）

　やっぱりデカい。

　仰向けに寝ても、その迫力は全然衰えない。

　こうして下着越しに見た事は前にもあったが、実際に触るつもりで見た事は今までに無い。

「触るぞ？」

「はい……」

　ゆっくりと右手を伸ばし、触れてみる。

「ん…………」

　ピクッ、とキヨメさんが震える。

（柔らかい……）

　ブラジャー越しにでもわかる、その柔らかさと温かさ。

　指に少し力を込めると、柔らかさと同時に心地よい張りと弾力を感じる。

　やわやわと弱い力でしばらくその感触を楽しんだら、指に込める力を強くする。

　むにゅりと胸に深く沈み込んでいく指。

　指をいっぱいに広げても全然足りずに溢れ出してしまう、その圧倒的ボリューム。

　こんなに素晴らしい物を好きにして良いだなんて。

　心の底から日和に感謝する。

（直接触りたい）

　欲望がエスカレートする。

「ブラ……外してもいいか？」

　聞いてみる。

「…………はい」

　キヨメさんが恥ずかしそうに顔を逸らして、頷く。

（散々俺に痴女みたく迫ってきた癖に、何今更純情ぶってんだコイツ）

　何となくムカついた。

　まるで俺だけが、がっついてるみたいじゃないか。

「え!?　そ、創太さん!?」

　両手で胸を強く鷲掴み、揉みしだきながら顔を近づけると、その谷間に舌を伸ばす。

「な、何してるんですか!?」

（汗の味がする……）

　舌は手より敏感で、舐める事でよりキヨメさんの肌のきめ細やかさがわかる。

「私汗かいてるんです！　汚いですよ！　……ふぁ、んむ」

　舐めるのを止めて、キヨメさんの唇にキスをする。

　さっきまでの様に舌を絡めるんじゃなく、キヨメさんの上唇や下唇を交互に咥えて、じっくりとねぶる様に弄ぶ。

　けれどキヨメさんはそうじゃなくて、さっきまでみたいに舌を絡めあいたいんだろう。

　俺のキスに反応して舌を条件反射の様に伸ばしてくるが、それを俺の舌で押しのけて、今やってる行為をそのまま続ける。

　だがやはり唇だけだと刺激が少ないらしく、何とかして舌を絡めようとしてくるキヨメさん。

「はぁ、ん……！」

　俺のズボンのパンパンに膨らんだ部分を、キヨメさんの股間にグリッと擦りつける。

　興奮が伝染したのか、キヨメさんは強気になり、人工呼吸をする様に深く口付けてくると、俺の舌を吸い上げる。

　念願の俺の舌を唇でとらえると、嬉しそうにその舌にしゃぶりつく。

　すると、さっきとは逆。

　今度は俺の唾液がキヨメさんの口の中に流れ込んでいく。

　それを、喉を鳴らして美味しそうに飲み込むキヨメさんに興奮する。

　自分の股間の高ぶりを意識して、そいつをキヨメさんの口の中にぶち込んだ後、そこから出る物を飲ませたいとか、そんな下衆な事を考えてしまう。

（そろそろ……）

　胸に直に触りたい。

　キヨメさんのブラジャーを外そうと思うが、外し方がよくわからない。

　いや、ホックを外せばいいだけだという事は知識としてわかっている。

　けど、やった事が無い。

　ここでモタついたら正直ダサい。

　制服と同じ様に無理やり捲り上げてもいいんだけど、出来ればちゃんと外して、何も付けてない状態で胸を見たい。

「…………？」

　キヨメさんが動きの止まった俺を不思議がる。

（てか、まずは生で触れればそれでいいか）

　ブラジャーの下から中に手を差し込む。

「あんっ」

（うおおぉぉ!?）

　何これヤベェ！

「えっ、そ、創太さん!?」

　我慢出来ずに、その谷間に勢いよく顔を突っ込んでしまう。

　何だこれ。

　ブラジャー越しとは全然違う。

　生乳ヤバい。

　中は汗で蒸れてびしょ濡れだけど、嫌な気は全然しない。

　ふよふよでスベスベで、ブラ越しとは言えさっき散々触った筈なのに、生は全っ然違う。

　手がブラジャーに圧迫される事で押し付けられる感覚が、不自由どころかむしろいい。

　とりあえず、人差し指で先端の位置を探る。

　そこを早く弄ってみたい！

「あ、そ、創太さん……あの……」

　ベルトを外す事も考え始めた、その時。

「そこまででゴザルよ、主殿」

「「え？」」

　バッシャーン！　と頭から勢いよく冷たい水がかけられる。

「「………………」」

　思わずキヨメさんと顔を見合わせ、冷静になる。

　彼女の髪色と瞳も元に戻っていた。

「主殿がどこでどの様な女性と何をしようと自由ですが……」

　クイッ、と指を背後に向ける。

「キヨメ殿が夢中になり過ぎて、催眠効果が薄れてきています。衆人環視の前で大胆露出プレイを披露するつもりですか？　……でゴザル」

「えー……あー……えー……と？」

　キヨメさんを見る。

「あー！　た、確かに！　すみません！」

　こっちに集中し過ぎて、本当に忘れていたらしい。

　人が来ていたら大変な事になっていた。

「……あのー……ところでー」

「ん？」

　キヨメさんが寝転んだまま指をさす。

「この方はどなたですか？」

　指をさした先に立っているのは、一人の幼い少女。

　百四十センチにも満たない、小柄な身長。

　髪を頭の後ろで縛って、短いポニーテールを作っている。

　首に長いマフラーをグルグル巻いて、如何にもくノ一っぽい露出が多めの忍装束を着ているが、まだ外見が子供なので、色っぽいよりも可愛い印象を与える。

「どなたって……あれ？　顔合わせた事無かったか？」

「え？」

「……あれ？」

　そういやそうか。

「だな……うん。会わせた事無いかもしれない。……ってか、同じ家に暮らしててまさかとは思うだろ？」

「え!?　同じ家に暮らしてて!?」

　驚いた顔でキヨメさんが少女を見る。

「マーちゃん。自己紹介」

「はいでゴザル」

　頷いて自己紹介を始める。

「わた……拙者の名前は、マモリですでゴザル。人間ではなく、キヨメ殿と同じ人造人間。ただ拙者はキヨメ殿達とは違い戦闘用の方の、忍者型人造人間でゴザルです」

　マーちゃんは忍者型だからなのか、忍者っぽい語尾や喋り方を意識している。

　だがはっきり言って全然上手く言えていない。

　慣れないなら止めればいいのに。

「マーちゃんには俺と光の身辺警護をやってもらってるんだ」

「身辺警護……あぁ、守るからマモリなんですね」

　ちなみに、身辺警護にはもう一人……というかもう一匹。

　ケイという人造人間ならぬ、人造忍犬が居る。

　見た目はコロッとした可愛い豆柴だが、いざ戦うとなると凶暴なんてもんじゃない。

　対象を一瞬にしてズタズタに引き裂いて、グロ画像並のミンチにする事も容易い。

「でも、私マモリさんの事家で見た事無いですよ？」

「拙者は基本、家に居る時は屋根裏の警備室に居ますからな」

　食事の時間も、朝と昼は俺達と別々、夜も一日目はキヨメさんがまだ来ていなかったし、二日目も泣いてるキヨメさんを見て気まずさを感じたのか、マーちゃんはすぐに警備室に引きこもったし。

「ん？　……あぁ！　部長さん達の役目はそういう事だったんですね！」

「役目？」

　キヨメさんが突然叫ぶ。

「部長さん、電話で創太さんの腕にしっかり抱き着く様にって言われてたんですよ。どういう意味なのかなって思って。創太さんの命令で、マモリさんにちわちゃんの事を倒させない為だったんですね」

「あぁ、そういう事か」

　俺も言われて理解した。

　部長達が、催眠が解けても俺の腕を掴み続けていたのは、その為だったのか。

　マーちゃん達は基本、俺達の警護のみを担当している。

　何を差し置いてもまず、俺達が優先。

　例え目の前で子供が轢かれそうになっていても、妊婦が転びそうになっていても、無視。

　俺達と俺達の周辺を監視する事を優先する。

　けれど、例外がある。

　腕を上げて、差す。

　その行動を俺が取った時、彼女達は俺の命令の方を優先する。

　最近だと、不良（？）を本気で怒らせた時や、キヨメさんが誘拐されかけた時に使おうとした。

　結局どっちもその前に解決してしまったが。

「………………平賀、あんた……」

「え？」

　声に振り向く。

「部長……と杏奈とちわさん」

　道路の修復が終わったのか。

「もうそっちは終わ――」

「あんた何やってるの、そこで」

「え？」

　声が固いなんてもんじゃない。

　憎しみを感じる。

　そして何より視線がヤバい。

　目だけで俺の事をゴミ虫、と呼んでいる。

「あ」

　今の体勢を思い出す。

　これは……とんでもない状況だ。

　キヨメさんに馬乗りになり、ブラジャーの中に手を突っ込んでいる。

「いや、いやいやこれは！」

　何とか誤解を解かないと！

「マーちゃん！」

　弁解を手伝ってもらおうと見ると。

「あれぇ!?」

　マーちゃんはいつの間にか姿を隠していた。

「……何言ってるの？」

「違うんですよ部長！　これはキヨメさんが！」

「自分から襲い掛かっておいて、それ？」

　確かに、この姿を見て俺が襲われたんだ、は通じないかもしれない。

「師匠。サイテー」

「あ、杏奈！　聞いてくれ！」

「私達には向こうで働かせておいて、自分達は裏でイチャイチャイチャイチャエロ行為とは、いい身分ね」

「だから違うんですってば部長！」

「ん、んっふ…………んふ、んふふ……」

「ちわさん!?」

　ちわさんは状況を理解出来ているらしい。

　だからこそそれを楽しんで、声を押し殺して笑っている。

（そして、何よりヤバいのが！）

　すぐにやらなきゃいけないと頭では理解出来ているのに！

　この手を、ブラの中から引き抜く事が出来ない！

（完全に欲望が理性を越えている！）

　カシャッ

「え!?」

「妹さんに送っておいてあげるわ」

「ちょっとぉ!?　写メ送るとか本当止めて下さいよ！」

　結局この後、部長たちの誤解を解く事は出来なかったが、必死に謝り倒す事で何とか許してもらう事は出来た。

　もう一度言う。

　誤解を解く事は、出来なかった。