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 「4545ちゃん、朝だよ。整列するの」


 「ん? 何?」


 女の子に起こしてもらえるなんて奴隷さまさまだな。

 整列?

 まだ重い瞼からは牢の戸に向かって女の子達が並んでる光景が見える。

 取り敢えず並んどけばいいか。


 「ちゃんといるようだな。4538は出てこい」


 昨日のおっさんが中を覗いてそう言うと、目がクリクリした女の子が外に出てく。どうやらあの子が4538みたいだ。


 おっさんとクリクリちゃんが上に登ると皆バラバラとし始めた。


 「あの4538って子はなんで連れてかれたんだ?」


 「あの子は予約が入ってたのよ。今日買取にくるから綺麗にしてもらうの」


 リーダーっぽい子が答えてくれた。

 そうか、売られるのか……せめていい人だといいんだけどな。何故か心が苦しくなる。

 たかが数時間話しただけの女の子なのに。


 昼過ぎだろうか、地下に2人降りてきた。昼飯なのかと期待したのだが、どうやらここの食事は朝夕のみらしい。

 1人は例の奴隷商でもう1人は40過ぎくらいの男だ。脂っこい感じであまり印象は良くない。


 「ほら、何してんだ並べ」


 牢に居た女の子達が朝と同じように整列するので俺も少し遅れながら並ぶ。


 「この子は昨日仕入れたばかりで少し男勝りなところもありますが、なかなかの一品ですよ」


 「うーむ、可愛らしいですな。これほどの品お高いのでは?」


 なんか俺の方見てそういう会話やめてくんない? やっぱりそういう趣味の人なのかな? 尻の穴キュってなるんだけど。


 「はい、うちの目玉ですからね。初物ですし、これくらいは……」


 奴隷商が指を4本立ててる。

 初物って……よく俺が童貞だと見抜いたな。やはり奴隷商というだけはある。


 「うっ、流石にそれは高すぎないか? まあ、仕方ない今回は諦めるとして次見てもいいかね?」


 そのまま2人が移動し、隣の部屋に行くまで立っていた。


 「すごいね! 4545ちゃんあんな高額見たことないよ」

 

 青っぽい髪の子が褒めてくれた。


 「そうなの?」


 「あのくらいならここにいる2人くらい買えるわよ」


 まさか俺にそこまでの価値があろうとはお釈迦様でも思うめぇ。

 金持ちって男色の気があるのかな? 俺にはさっぱりだ。

 そういえばこの雰囲気が思ってたより緩いから普通に奴隷してたけど、逃げなきゃ。

 尻の穴がいくつあっても足りないぜ。

 

 「ねぇ、こっから逃げたいんだけど方法しらない?」


 「てっきり最初から諦めてるのかと思ったけど、逃げたかったの?」


 リーダーの子は落ち着いてるな。


 「え? 普通に嫌じゃないの? だってあんな人間に買われて何かされるんだよ?」


 「奴隷契約したら行動とかに制限が出来るの知らない?」


 「ちょっとよくわかんないんで教えて?」


 「例えば契約すると記憶が一部無くなるの。家族のことなんかは私もみんなも思い出せない、名前も無くなるの。行動の制限はいろいろあるけど、主人を傷つけられないとか許可のない限り一定範囲から外に出られないとかだよ」


 え? ヤバくね? 俺詰んでるじゃん。こっちの世界来て速攻で終わった。ごめんね女神さま世界救えませんでした。

 


 さっきの客が出てってまた誰か来る。俺を紹介して奥の部屋に行くを繰り返す。

 きっと俺の目は死んでただろうな。もういいや。そのうち誰かに買われて終了だよ。


 昨日と同じ夕飯を食ったあとに商人のおっさんが降りてくる。


 「今日は洗浄だ3人づつ出てこい。4545は最後だ」


 女の子が3人商人についてくのを見届けてから残っている子に聞いた。


 「洗浄って?」


 「お風呂だよ。たまに入ってあの人を洗うの手伝うの」


 「それって……もしかしてそのまま変なことされてない?」


 「ううん、体を洗ったら自分も洗うの」


 ふぅ、よからぬ妄想をしてしまった。殺意が沸くところだった。

 いや、こんな可愛らしい女の子の裸を見るだけで万死に値しますけどね。


 3人の女の子が入れ替わりメイドさんにドナドナされる。

 帰ってきた3人の顔を見ると特に変わりはないから本当に変なことはされていないのだろう。

 戻ってきた3人と交代でいよいよ俺の番だ。

 階段を登り、風呂場に連れてかれる。かなりいい風呂だ。4~5人入れるくらいの浴場だろうか。

 っていうか俺マジであのおっさんの背中流すの? いやなんだけど。


 後ろにメイドさんスタンバッてるしな~。どうせ逃げられないか……

 諦めて服を脱ごうとしたら視界の隅に女の子が映った。

 誰だ? 俺1人じゃなかったのか?


 顔を向けるとその子と目があった。

 黒髪の艶やかなロングストレートに金色の目、まるで生まれたてのような純粋さが漂っている。


 「かわいい……付き合ってください」


 「何をしているのですか? 早く服を脱ぎなさい」


 女の子じゃなくてメイドさんが答えた。

 よく見るとメイドさんが前と後ろに1人ずついるな。顔も同じだし分身の術的な?



 いやいや、これはどう考えても鏡だろ。

 ……しかしそうなると俺が映っていないことになるな。


 まさかな。

 そんなわけあるか。

 変な顔してみたり、くねくね動いたり、だっちゅーのしてみた。

 可愛い女の子が全部真似してくれる。




 「俺女の子になってるーーーーーーーー!!!!」


 「静かにしなさい。はやくご主人様の元へ行きなさい」


 すごい冷静に怒られた。

 今はそんなのどうでもいい。大切なナニかを確認せねば。確か昨日はあったはず。

 スカートをあげ、自分の股間に手を伸ばす。

 ちょっと元気無いが何度も触ったことのある感触。これは間違いない


 「っしゃオラーーーついてたーー!! 男だったーー!!」


 「あなたは1番の商品ということで多少は目を瞑りますが、あまり言う事を聞かないようなら……わかってますね?」


 かなり怒ってらっしゃいますが、今の俺は何故か見た目美少女になってしまったが、ちゃんと男であったことに感激している。この喜びを皆で分かち合いたい。


 「そんなことよりもだ。ほら見てくれ! ちゃんとついてる!!」


 ボロン

 効果音だとそんな感じか? 

 俺のモノを見せてあげたらメイドさんが硬直した。


 「――っきゃーーーーーーーーーーー」


 女の甲高い悲鳴が狭い脱衣所に響く。


 「っちょっと悪かったって。隠すから。ほらもう、ゾウさんいないよーいないいない。いないいない。いないいないばー」


 1回スカートで隠したぞうさんを再び出してあげたら。一層高い悲鳴をあげた。

 本当にごめんって。悪乗りしすぎたって。


 メイドさんの悲鳴を聞きつけて風呂から裸の奴隷商が出てきた。

 俺のモノを見て奴隷商のおっさんも暫く硬直してた。


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