表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/54

うば捨て国

今回は、お笑い精分、弱です。

昔のネタを想い出している最中でして・・・・・・

短く、ポンと終わるのが理想なんですが、今回も短編みたいになりました。

 昔々、有るところに巨大な帝国があり、その中に貧しい国がありました。

 その国の王は政治が上手くなく借金を重ね続けたため、余分な食糧は全て売ってしまうことにしました。

 そこで人々は60歳まで税を納め、それから70になっても生きていると、山に捨てられてしまうのです。


 皆、自分の親が70前に安らかに死んでくれるなら良いのにと、常に考えていました。


 そんな国の田舎の村に実に親孝行な息子が住んでいました。

 母親が70になった時、捨てに行く振りをして床下に隠し、大事に面倒を見ていたのです。


 そんな有る時、国に大きな問題が起こりました。

 様々な国の王が集まって開かれる年に一度のパーティーでは、時たま各国の王を1人選んで皇帝から質問が出されます。

 其れに答えられない場合、国は潰されてしまうのです。

 下々の者からは、どの様な基準でか知りませんが王が処刑される場合もあります。


 抵抗しようにも不可能なほど帝国の力は大きく、各国の王は自分の番にならぬ様にと、役人に賄賂を渡そうとするのですが、それも通じません。


 腐敗していないからこそ帝国は巨大な力を持っていたのです。


 さて、今回皇帝が選んだのは、問題の「老人を捨てる国」の王でした。


 その場で答えても問題有りませんが、一応、答えは一月待つことが普通になっていました。

 間違えたならば国は取りつぶしです。


 そこで出された質問は、

「全く同じ大きさであり、肌の艶、走る力、蹄の具合まで完全に同じ馬が二頭居る。

 そしてこの馬は両方とも(めす)であり親子である。

 この二頭のどちらが親で、どちらが子供か間違い無く見抜く方法を考えよ!」


 と言うものでした。


 さあ、国中大騒ぎです。

 どうすればいい? と王も家臣も頭をひねりますが、答えは出ません。

 そこで、国民に褒美を条件に答えを求めました。


 その話を聞いた国民は、様々な案を持っていきますがどれも見当外れのようです。


 すると1人の男が現れ、「老人を捨てるのを止めてもらえるならば答えを教える」

 と言います。

 怒った王はその男を殺してしまいました。


 それからは誰も答えを持ち込もうとしません。


 息子がある日、その話を床下の母親にしたところ、簡単に答えを教えてくれました。

「褒美は貰っておきなさい。 

 但し、米か麦にして近所の人と平等に分けないと、私に気付いている人がいるかも知れないから密告されるよ」

 と注意も受けます。


 さて答えですが、


『二頭の馬を風の強い海岸に連れて行けばよい。

 海からの強い風から、もう一頭を守ろうとするのが母馬だ』


 と云うものでした。


 答えは正解で、国は取りつぶしを免れます。

 息子も褒美を受け取り母親の言う通りに村の人たちと平等に分けました。


 処が、なんと翌年のパーティーでも同じ国が選ばれたのです。


  その年の問題は、

 「同じ大きさ、同じ色、同じ力のカエルが居る。

  このカエルが親子であることを証明せよ」

 

  と云うものでした。


 結局、その場では王は答えられず、またしても国民に呼びかけますが、殺されることを恐れて誰も出ていきません。

 若者は、又母親に相談したところ、

「王様は、その場で答えなかったのか?」

 と訊いてきます。


 息子が、そうだから国民に尋ねているのだろうと答えると。

 母親は少し、残念そうな顔をして言いました。

「この国の人たちは、あまりにも王が恐ろしくてまともに物が考えられなくなっているね」

「どうしてだい?」

 と息子が尋ねますが、母親はそれには答えず、もうすぐ帝国軍が攻め込んでくるから、山にでも避難した方が良い、と言います。


 そして、2日もせずにその通りになりました。

 無能な王や家臣は殺され、新しい優秀な王が帝国から派遣されました。

 当然、老人を捨てる風習も無くなります。


 息子は、母親に向かって言います。

「良い結果に終わったけど、あの問題の答えは何だったのだろう。

 それに何故、皇帝はいつも通り、ひと月待たなかったのだろうか?」


 それを聞いた母親は溜息を吐きました。

「皇帝は慈悲深い方だから国王が行いを改めるのを待っていたんだろうが、

 しびれを切らしたんだろうね。

 それと問いの答えだけど、お前も皆と同じで馬鹿だねぇ・・・・・・・

 カエルの子供など見分けなくとも分かるだろうに、







 オタマジャクシだよ」




前書き書いてたら、ネタ少し想い出してきました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ