番外編13:あくまのあかちゃん
誰でも思いつくような話なので、怒らないで下さいね。
1,あくまのあかちゃん
昼間も日の光の差さぬ暗い森の中、ひとりの男が弓を片手に歩いている。
茂みがガサリと鳴った。
獣か?と思うが、その音の後は特に音も動きもない。
音のした膝ほどの茂みをかき分けた時、男は驚く!
『あ、熊のあかちゃん!』
2.あくまのあかちゃん2
ある病院で男の子が生まれたのだが、生まれた翌日、父親、母親、そして医師や看護婦の前ではっきりと喋ったような声を出した。
「かあちゃん」と。
その時は、皆、大笑いをしたものだが、その夜、母親は容体が急変して死亡した。
男手ひとつで3人の子供を育てるのだと男は決意する。
しかし、赤ん坊が病院から家に来た日、赤ん坊ははっきりとこう喋った。
「姉ちゃん」と・・・・・
途端、電話が鳴る。
学校からの電話であり、娘が事故死した、との伝えであった。
男は荒れたが、それ以上に不気味さが先立つ。
もしや、この子が・・・・・・
と赤ん坊の首に手を掛けかけ、思いとどまる日々が続く。
その様な中で三度、赤ん坊は喋った。
「兄ちゃん」と
長男は交通事故にあって死んだ。
こうなるともう間違いは無い。 確実だ!
この赤ん坊が、一家を殺し続けて居るのだ。
次は自分の番だ!
自分を“父”と呼ばれる前に、この子を殺さなくてはならない。
しかし、人として赤児を殺せるのか、泣き声が偶然そう聞こえただけ、妻の急変も子供達の事故も偶然かも知れないではないか。
男の殺意と恐れが入り乱れる中、赤ん坊は遂に、
『父ちゃん』
と言った。
こうなった以上、今更赤ん坊を殺しても、もう手遅れだ。
せめて、自分の手を汚さずに済んだ事だけを喜ぼう。
男はそう思い、眠りにつく。
翌日、隣の旦那が死んだ。