カメを虐めてはいけません・・・・・?
今回はちょっぴりダークです。
1
昔々、あるところに太郎という貧しい漁師が居ました。
ある日太郎が海辺を歩いていると、砂浜に子供達が集まっています。
どうしたのだろうと、のぞいてみると,子供達はよってたかってカメを虐めているのです。
太郎は可哀想に思って、
「これこれ、カメを虐めてはいけないよ」
と言うと、子供達の1人が、
「いや、だってね。 このカメ性悪なんだよ」
と言うではありませんか。
不思議に思って聴いてみると、
「昔、この亀を助けたせいで酷い目に合った人がいるんだよ」
と言います。
そこで太郎は思い出しました。
丹後の国に伝わる昔話です。
帰ってくると、村も見知った人もいなくなっていた、というあの話。
「そりゃ確かに、問題だな!」
そう言うと太郎は暴行の輪に加わったのでした。
2
昔々、あるところに太郎という貧しい漁師が居ました。
ある日太郎が海辺を歩いていると、砂浜に子供達が集まっています。
どうしたのだろうと、のぞいてみると,子供達はよってたかってカメを虐めているのです。
太郎は可哀想に思って、
「これこれ、カメを虐めてはいけないよ」
というと、子供達の1人が、
「なら、おっちゃん、なんかくれるか?」
と糞生意気な事を言います。
貧しい太郎には小銭くらいしか持ち合わせがありません。
そこでそれを与えようとすると、
「これっぽっちじゃDSの足しにも成らないよ。
こっちの3DSで痛めつけている方がマシ!」
と抜かします。
太郎は、
(この糞ガキども、亀が二匹いるんかよ。どこら辺がデュアルよ?)
などと思ったものの、ただ怒鳴っては良い教育にはならないのではないかと思い直しました。
そこで大人の手本として虐めに立ち向かう勇気を見せる事にします。
「亀を殴るくらいなら僕を殴って憂さ晴らしでもしたらどうだ!」
子供のパンチなど、どうという事もありません。
風が吹くようなものでしょう。
と、思いきや、近頃の子は実に発育が良い。
よく見ると身長が170cmを楽に越える子が2~3人は居ますね。
挙げ句、浜辺という事で船の櫂には事欠きません。
「では、遠慮無く!」
と言われ、あっという間に太郎はボコボコです。
身を丸め、まさしく亀のようになった太郎を殴りつけていた子供達でしたが、次第に飽きてきたのでしょう。
1人去り2人去り、と数が減っていきます。
「これで暴力のむなしさを分かってくれるなら良い事をしたじゃないか」
と太郎は、嬉しく思いましたが、1人だけ執拗に太郎を櫂で打ち付けている子供が残っているようです。
(此奴だけは許さん!)
そう思って太郎がそうっと顔を上げると、亀が
「お前が流行らしたんだろうが!」
との言葉と共に一心不乱に太郎に櫂を叩き付けていたのでした。
3
関係ない話ですが、亀を食べる時は、火を焚いてひっくり返した亀をそのまま火の上に置くと、甲羅がそのまま器になります。
太郎がこの豆知識を披露したところ亀の攻撃はピタリと止んだそうです。
次回はより穏やかにしたいものです。