混ぜ合わせ 六の巻
昔、聞いた話とオリジナルのホントに混ぜ合わせです。
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1.
とある空港で出発便が遅延している。
何やらトラブルのようだが乗客達は大人しく待っていた。
しかし、流石に1時間を過ぎた辺りからアナウンスが入ってもアテンダントに食って掛かるものまで出て来る。
更に1時間、つまり2時間経った所でアナウンスがあった。
「機長の○○です。 大変長らくお待たせして申し訳ありません」
此処まで聞いて”やれやれやっとか”と誰もがほっとしたがアナウンスはこう続いた。
「実はエンジンに重大なトラブルが見つかりました。
代替便をご用意しますので、もう2時間程お待ち下さい」
これには乗客も切れた。
「ふざけるなこの野郎!」、「商談はどうなる!」、「足がぱんぱんだよ!」
「もう少し真面目に詫びろ!」
最早、暴動寸前となった時、スピーカーから「チッ」とはっきりとした舌打ちが聞こえ、
それから・・・・・・
「じゃあ飛びますよ」
機長が投げやりに言って飛行機が動き出した時、機内は大パニックになった。
2.
在る船が遭難した。
3人の兄弟が何とか島に泳ぎ着いたが、どうやら無人島のようだ。
「どうしようか?」
と悩んでいると、海岸で砂に埋もれたランプを見つける。
「まっさか~w」
などと言いつつも、こすってみると魔神が現れ
「ひとり一つずつ、願いを叶えてやる。 但し、同じ願いは駄目だぞ!」
と言ってくる。
喜んだ長男が「うちに帰りたい!」そう言うと、『ひゅ~ん』と長男はどこかへ飛んで行ってしまった。
これは本物だと、次男もすかさず「家のベッドで寝たい!」と言う。
あっという間に次男もこれまた『ひゅ~ん』と長男と同じ方向へ飛んでいく。
焦った三男坊は、同じ願いでは駄目だといわれた事を思い出しつつこう言った。
「兄ちゃん達に会いたい!」
兄2人が『ひゅ~ん』と戻って来た。
3.
昭和30年代の事である。
道の整備は進んで居らず、ボンネットバスが走る田舎道。
在るバス停で、田舎には似つかわしくない都会風のファッションに身を包んだ若く美しい女性が乗り込んできた。
乗客にその姿を見せびらかすかのように優雅にバスの後方の席に座る。
道路の整備が進んでいない時代、バスはよく小さな穴にカタンと落ち込みながら走る。
そんな中、少々大きな穴を運転手は避けきれなかったようだ。
ガタン! とバスは大きく揺れた。
と、その時、バスの後方席から『ブッ!』っとはっきりとした音がする。
誰もがギョッとなって振り返る。
件の若い女性の近くの席には野良着の老人も座っていた。
皆の注目を浴びた女性ではあるが、特に慌てる風でもなく老人に話しかける。
「お爺さん、お昼はお芋を召し上がったの?」
その言葉を聴いた爺さんも特に慌てずに返事をした。
「おお、そうだ。 よく分かったな」
その言葉に乗客一度がほっとしたのも一瞬で、爺さんは続けて女性にこう返す。
「ところで聞きたいんだが?」
「何でしょう?」
「俺が芋を食うと、なんでお前が屁をこくんだ」