番外編5 怪談っぽい話2
ある日友人がこう言いだした。
友B「なあ、走る婆さん、って知ってる?」
自分「ん~、確か植物園に向かう下り坂の途中に霊園があって、
そこの入り口に婆さんが座ってる事があるんだよね」
友B「それだけ?」
自分「車に乗って通り掛かると現れて追っかけてくる。
だけど窓さえ閉め切ってたら逃げ切れる。 でしょ?」
友B「おお、知ってたか」
自「ここいらじゃ、有名な話だからね」
友B「でもこの辺りもよそからの人が多くなってね。
あそこ通る時に車の窓開けっ放しで走っちゃった人が居たらしいのよ」
自分「知らないって怖いねぇ」
とそこへ、友人A登場(黒猫の男)
友A「面白い話してるねぇ」
自分「おまえ、この手の話、違う意味で好きだからね」
友A「失敬な!」
友B「おとなしく聞けよ」
友A「OK、OK」
自分「で、どうなったの」
友B「運が良くてね。 窓5センチぐらいしか空いてなかったらしいんだけど」
自分「けど?」
友B「追いつかれてその隙間にしがみつかれちゃったんだって!」
自分「げげっ! マジか!」
友A「で?」
友B「で、しばらくの間、窓の隙間にしがみついて、
そのたった5センチの隙間から中に入り込もうとしていたらしいんだ」
自分「怖すぎるだろ!」
友B「処がな、坂を下り切りそうになったんで、あきらめたのか離れていったらしい」
自分「下りきったところにある、お地蔵様のお陰かな?」
友B「かもね。 でも、最後に気になる事、言って車から離れたらしいよ」
自分「なんて?」
友B「悔しい~~、あと5センチ空いていたら~、って言ってたらしい」
自分「つまり、あと5センチ空いていたら・・・・・・」
友B「ああ・・・・・・」
友A「10センチだったんだな!」