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【連載版】転生したら断罪の場でヤジを飛ばして石を投げるモブ平民だった  作者: Vou
第四章 断罪の王国編

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第七十話 ユウマ・クレイの断罪(前編)

 王城前広場から去る者はおらず、相変わらず多くの人々がいた。


 断罪台からの眺めは壮観だ。


 断罪の観衆——罪人への怒りに燃える人々の集合体は、どんな魔物よりも魔物じみて見える。


 観衆側から罵声を飛ばし、石を投げながらも、俺はいつか断罪台に立つことがあるのではないかとどこかで考えていたような気がする。

 正義と信じて断罪を支持しながら、正義に責められる罪人の気持ちはどんなものかと想像して背筋を震わせたものだ。


 そしてついにその日がきた。


 俺は罪人として断罪台に立ち、多くの観衆の強い非難の怒号を浴びている。


 それはそうだ。俺は、王国民の人気を集める「聖女」と「剣姫」を脅して操り、王太子を殺しかけ、王国を転覆させようとした大罪人なのだ。俺が観客であれば、相当にエキサイトしているだろう。


 転生するときに目立つような人生を送りたくないと言ったはずなのに、ここまで注目を浴びるとは……死んだら女神に激しく抗議してやろう。



 「真・反断罪戦線」の首謀者は俺ことユウマ・クレイであり、聖女エリシアと公爵令嬢クローデリアの弱みを握り、脅していたという主張はあっさりと認められた。

 聖女エリシアや、公爵令嬢にして「剣姫」クローデリアは王国になくてはならない存在だ。王国とすれば、彼女らを保護し利用できることを考えると、モブ平民を断罪し、その軽い命を奪うことに何の躊躇いもないだろう。


 俺にとっては最善の図らいだった。宰相ジークフリートの裁量に感謝だ。



 目の前で、人質から解放されたレオンハルトが醜悪な笑顔を俺に見せる。


「クズ平民ユウマ・クレイ!」


 レオンハルトはいつも以上に声を張り上げる。まるで人の血を見た魔獣のように興奮しているようだった。


「聖女誘拐、公爵令嬢誘拐、王太子誘拐、および殺害未遂、そして国家反逆罪により、ここに断罪するぅ!」


 興奮しすぎて声が裏返ってやがる。


「ここからは私が……」


 宰相ジークフリートが割って入る。


「ユウマ・クレイ。あなたは聖女を脅した上、王国を侮辱するような発言を強要し、王政府、および聖教会まで転覆させようとした。さらに『剣姫』の武力を使って、王太子誘拐、および殺害未遂にまで凶行が及んだ。これは、二重の国家反逆罪とみなされる」


 ジークフリートは哀れむような目で俺を見る。


 俺の罪が本当に罪であったならば、俺は激しくその罪を悔いただろうと思う。


 だが、今回ばかりは後悔の気持ちは微塵もない。


 何よりもクローデリアが無事であるならば、俺ごときモブ平民が処刑されようが、大したことではない。

 改めて、罪を俺だけに集中してくれたジークフリートには感謝だ。


「ありがとうございます……」


 思わずこぼれた俺の本音に、ジークフリートが一瞬たじろいだ。


 たじろぐジークフリートを押しのけ、レオンハルトが鼻息荒く俺に迫る。


「量刑は俺が決める! このクズ平民に俺は散々な屈辱を受けたのだ。絶対に許さん」


 ここで死罪になり、また女神に会えるのであれば、同じように、モブ平民への転生をお願いしよう。

 叶うなら、またクローデリアと出会いたい。……いや、それよりも、今世でのクローデリアの幸せをお願いしよう。


「重大な国家反逆罪を犯した罪人用に、死罪よりも重い、新しい刑を用意した」


 そう言ってレオンハルトが残忍な笑みを浮かべた。

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