第四話 公爵令嬢クローデリアの断罪3
セラフィナは王国騎士たちに連行されて去っていった。
これにて一件落着かと思いきや、断罪の後、俺もなぜか連行され、目の前には公爵令嬢クローデリアと宰相ジークフリートがいた。
「怖かった……」
そう言うクローデリアの手は震えていた。あんな勝ち気な感じだった公爵令嬢が、実は恐怖心を必死に抑えていたのか。
……推せる!
「本当にありがとう。あなたのおかげよ」
クローデリアが俺に抱きついてきた。
えらい展開になってしまった。
「クローデリア様、俺みたいな平民に抱きついたりしたらまずいですよ」
「私は身分なんて気にしないわ。あなたは私の恩人で、あんな王太子よりもずっとすてきだわ。……でも嫌だった?」
クローデリアが至近距離で媚びたように上目遣いをする。その美しさが眩しく、緊張してしまう。
できれば少し遠くから眺めていたい。
「い、嫌だなんてとんでもない。ただ畏れ多いだけです」
そこにジークフリートが割り込んでくる。
「好意はありがたく受け取るべきです。私からも礼を言わせてください。
危うく奸計に乗り、クローデリア様を冤罪としてしまうところでした。おそらくセラフィナも何かもっと大きな存在に操られていたような……そもそもなぜあのように資質のない女を聖教会が聖女と認定していたのか……何か大きな陰謀の存在を感じます。
ユウマと言いましたね、聞けばスキルで本当の悪人を見抜いたのだとか。ぜひこれからも王国のため、手を貸してください」
ジークフリート様が俺に向かって手を差し出してきた。
手……推しだから握手はしてほしいけど……
「いや、俺は安全なところからヤジと石を飛ばしたいだけの平民なんで……王国のためなんて無理ですよ。ははは……」
「宰相命令です。これからもお願いしますよ」
ジークフリート様が俺の右手を両手で握りしめた。……俺の社畜センサーが危険を知らせる。
俺をこき使うぞ、というオーラが出ている。人を駒のように考えて人権など知らない上司を見抜くのは得意なのだ。
……見抜けたところで逃げられたことはないのだが。




