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時間を巻き戻せる切符――代償は、君との一年分の記憶でした    作者: まなと
第十章 もう一度、あなたへ

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管理室での会話

そして――夜が明け、時空電鉄の小さな観測室では、ティオとリュカが並んでいた。二人は淡々とした口調で、だがどこか柔らかい笑みを交わす。


「今回、時空管理局の規則――現実世界に干渉するのは禁止だろ?」


リュカが言う。腕を組み、顔に影が落ちる。


ティオは肩をすくめて、少しだけ反省顔をする。


「うん。でもね、僕は車掌だ。あのホームを走るのは、ただの仕事じゃない。時に誰かの背中を押すのも仕事の一部だと思うんだ」


リュカは小さく鼻で笑った。


「よく言うよ。だが監査に引っかかったら、君の制服は洗濯機行きだぞ」


ティオは真顔で首を傾げる。


「まぁ、今回は許してほしい。必要だったんだ。あの子たち、あのままだったら、、、」


リュカはしばらく黙っていたが、やがて頷いた。


「……まぁいいだろう。今回は、な」   


二人の間に短い沈黙が流れる。外側の世界では、まだいくつかの歯車が回り続けている。

だがその夜だけは、小さな救いの灯が消えずにいられた。ティオの胸ポケットには、どこかで見た小さな切符の端切れが温かく収まっている。リュカはその切符をちらりと見て、深く息を吐いた。


「次は、もっと気をつけろよ」


リュカが呟く。


「うん。ありがとう、リュカ」


ティオは小さな笑顔を返す。


そして、観測室の大時計の針が一つだけゆっくり動いた。誰かの時間が、ほんの少しだけ、救われた夜だった。




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