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時間を巻き戻せる切符――代償は、君との一年分の記憶でした    作者: まなと
第五章 復讐の始発駅

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ホームでの会話

復讐の始発駅から全てが終わった夜。

時空電鉄の車内には、静かな空気が流れている。

車掌のティオは、遠く窓の向こうを見つめながら、リュカに声をかけた。


「リュカ、見ていたんだろう?

あの子は、結局どうしたと思う?」


リュカは窓越しの闇を見つめたまま、ゆっくりと答える。

「……自分で決めた。

そして、自分で終わらせた。復讐も、怒りも。

でも、ちゃんと誰かに守られることも、受け入れたんだ」

ティオは小さく頷く。


>「うん。あの子はもう、自分の手で生きる道を選んだんだね。

悪意に屈せず、自分の心を守った」

リュカがふっと笑む。


「そうだな。俺たちが手を貸したのは、ほんの少しだけ。

本当に必要だったのは、彼女自身の決意だ」

ティオは窓の外を流れる景色に目を細める。

「これからも、時空電鉄は色んな人の選択を見届るんだろうね」

リュカは頷き、呟く。

「そうだ。誰も知らないけど、確かに誰かの人生を変える瞬間がある。

そしてその瞬間を、俺たちは見守るだけでいい」

車内には静かな風が流れる。

過去と未来が交錯する中で、電車は次の目的地へと進む。

「さあ、次の乗客は誰だろうね」

「楽しみだな」

二人の声は小さく、でも確かに響いた。

それは、過去を終わらせ、未来を見届ける者たちの静かな誓いだった。

ここで物語は静かに幕を閉じる。

復讐も、痛みも、救いも、全てが乗客の心の中に刻まれたまま時空電鉄は未来へ走り続ける



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