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3.装備とステータスに何を求めるか

次の日、私は友紀に怒られていた。「なんでフリースタイルを選んだの」「なんで相談をしてくれなかったの」など...いや別に一緒にプレイするために始めたわけではないのだから相談なんてする必要がないし、そもそもエタプロの世界のコンセプト的にスタイルは何でもいいはずなのだが...




『エタプロ』


正式名称『エターナル・プロセス』

エターナルは永遠、プロセスは工程という意味を持つ。それはつまり、このエターナル・プロセスという終わりの見えないゲームというコンセプトなのだろう。であればそもそも1つのスタイルにこだわる必要性など最初から皆無なのである。だから私は友紀に怒られた理由が分からなかった。









私は現在エタプロの初心者向け掲示板を見ている。現在私はキラーラビットを討伐しまくったことでLv.10となったのだが、友紀によると私の行動は異常らしい。なので掲示板を見てオーソドックスな流れを確認しているのだが...


「なんかつまらないんだよね〜」


私が求めているのはもっと殺伐とした、命の取り合いのようなもの。こんな「安全な経験値効率のやり方を教えます」だとか「私と同じ動きをすれば皆さんも強くなれますよ」のような面白くないものを私は求めていない。そもそも私の選んだフリースタイルは、全世界で1億を超えるプレイヤーの中でもごく一部しかいないため、こういったアドバイスはなんの意味もないのである。


「それじゃ、行こうかな?」


掲示板を確認し終わった私は再びエタプロの世界へログインする。次に目指すのは、友紀が言っていたゴブリンやボアの出る北方森林。














「さて、森林に到着したのはいいけど...ゴブリンとボアってのはどこにいるのかな?」



いた。


ゴブリンとボアの群れを見つけることが出来た...のだが、その中にはボアの背中にゴブリンを乗せている個体が存在する。


「ようするに...ゴブリンライダー的な?」


レベルは12、私より少し高いくらいだ。手には木の盾と棍棒を持っており他の個体より少しばかり体格が大きく感じる。他の個体もレベルは低く、武器も持っていないが、集団で相手をするとなると今の私では少しばかり苦戦するだろう。


「とはいえ...勝てないって訳でもなさそうだし、それに、せっかくのフリースタイルなんだから色々と試してみないと損だよね」


私は現在、職業『冒険者』を選んだ際に初期装備として手に入る双剣武器「デュアルブレード」を装備している。他にも大剣や片手剣、刀やハンマーなどといった近距離武器に加え、遠距離武器である弓も使用可能だ。であれば、目の前の自分よりほんの少し強い程度の敵であれば色々と試してみたくなるのは仕方のないことだろう。


「それじゃあやろうか!」













「ふぅ...まぁこんなもんか」


流石にLv.2程度の差であれば苦戦することもなく、リーダー格さえ倒してしまえば後のゴブリンやボアは単なる作業ゲーでしかなかった。


「とりあえず感触の良かったのはっと...」


色んな武器を試した感想だが、私はやはり鈍足な大剣やハンマーなどといった武器は向いていないと感じた。私の現在のステータスは攻撃力、速度、スタミナのみに絞って、レベルアップ時に手に入るステータスポイントを割り振っている。そしてそれは、大剣やハンマーなどのような、火力はあるが自身の移動速度に制限を掛けてしまう武器を否定しているやり方だ。


他のゲームでも私は手数の多い武器と速度と意識していることが多い。それは『ダメージを喰らわなければ実質HP無限なのでは?』『攻撃力を強化しまくれば火力武器にも負けない手数&火力になるのでは?』という脳筋戦法を得意としている私のスタイルに他ならない。


そして今回の戦いでも双剣や片手剣を使用した機動力特化の戦法で、一撃もダメージを食らうことなくゴブリンとボアの群れを殲滅することができ、脳筋戦法でも問題は無いということを結果で証明することが出来た。


「いらない武器と防具は全部売るとして...やっぱりもう少し火力は欲しいかなぁ...」


今後の装備更新を目的とし、私はこのゲームを勧めてきた友人に相談をするか掲示板を頼るか、自分の中で葛藤するのであった。

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