PROLOGUE
【日本における男性局部破裂災害の人的被害調査報告書 第八次報告(最終)】
二〇二〇年六月四日に発生した大規模な男性局部破裂災害(以下、大災害と呼称する)について、我が国における被害の調査結果を以下に報告する。
■死亡
男性 約5600万人(五六〇五万一七五四人)
女性 約820万人(八二三万一〇二四人)
(内訳)
・外傷起因の失血、熱傷、および多臓器不全等の一次被害による死亡
男性 約5520万人(五五二六万七二一一人)
女性 約730万人(七三四万七九八人)
・大災害起因で発生したと推定される、電車、バス、乗用車、航空機、船舶などの二次的な交通事故による死亡
男性 約50万人(四九万五八三一人)
女性 約40万人(四二万三七六四人)
・大災害起因で発生したと推定される、爆発、火災、毒劇物中毒などの二次的な事故による死亡
男性 約28万人(二八万一〇八五人)
女性 約6万人(五万九二三三人)
・その他(インフラ機能の停止を起因とする死亡事故のうち強い因果関係が認められたもの、等)
男性 約0.7万人(七六二七人)
女性 約40万人(四〇万七二二九人)
■行方不明
男性 約450万人(四五五万一二一六人)
女性 約330万人(三二七万三二四一人)
(中略)
――以上のように、世界的にも同水準の被害が確認されており、今回の大災害による人的な被害は、かつてのペストや天然痘の大流行をはるかに上回る人類史史上最悪の大災害と言える。
また、食料・薬品の不足や、電力・流通などの社会インフラの停滞、および医療・技術等の人材の被害も深刻であることから、疾病患者を中心に中長期的な三次的被害も予想される。
加えて、生存者の行方不明や自死が高止まりしている点も看過できず、心理的・社会的ケアも極めて重要となる。
既に甚大な損失が認められている現状を踏まえ、これ以上被害を拡大させないため、あらゆる手段を選択肢から排除せず尽力することが国家としての急務である。
(中略)
――その結果、大災害後の我が国の人口は、
男性 約13万人(一二万九九一二人)
女性 約5200万人(五一六六万二三一一人)
となっている。
大災害による男性の人口減少は極めて深刻であり、人口性比は対女性で0.3%を下回る状況となっている。
年齢分布については身体的諸事情により災害を免れた男性約八万人と、被害に遭ったものの身体的発達度が未熟であったために即死を免れた0歳から5歳の乳幼児約五万人からなるため、極めて歪な人口ピラミッドを形成している。
加えて、最重要で特筆すべき点として、災害発生以降二〇二〇年九月二〇日現在に至るまで、
生殖能力を有する男性は一例も確認されていない。
(後略)
厚生労働省 特別災害対策課 課長補佐 五十鈴桜子