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来ちゃった! てへっ

本に挿絵を入れる事を伝える手紙と、殿下の仕事で終了した翻訳を送った。


その間は、叔母様達に絵を見せ、特に私の絵が大爆笑されたり、

街を案内してもらって、ランチを食べたり、

おじ様の息子夫婦に挨拶したりして過ごした。3歳と5歳のちびっ子が可愛い!


ここに来てから、表情が前よりずっと変わるようになったと思う。


きっと、これが人として普通なんだろう。

兄もこちらに来て、ゆっくりしてもらいたいがそんなわけにはいかないか。

いや、その間は私が仕事をこなして頑張ろう。

兄も1度、こっちに来た方が絶対にいい!


よし、帰ったら言おう!



そんな事を考えてたら、


「ジェシカ~!!」 


手をブンブンふりながらこちらに来る、クルクルくせ毛頭の父。


は!? なんで!?

誰か来るなら兄がいいのにっ!!


ぎゅうぎゅうに抱きしめてきたところを、体をひねり、地面に転がす。


「ギャ!! ひどいよ~。2カ月ぶりの感動の再会でしょ?」


地面に座り、こちらを見上げて文句を言う父。


「なんで来たの? お兄様は許したの?」


「なんでってこの絵をみたら、来ないわけには、いかないでしょ? 下手すぎて、絵のせいで僕の本の評価が下がっちゃうよ!!」


失礼ね!!


「それにロデリックが行っていいって言ったから、来たんだよ! あ、ロデリックからの手紙ね」


「・・・叔母様達に挨拶に行きましょう。その後、商会ね」


「え、商会にすぐに行こうよ!」


「挨拶が先よ!」


おバカな父を引きずり、叔母様の所に連れて行ったら、叔母様のお話が終わらなそうだから、その間に兄からの手紙を読む。



『元気にしてるか?


こちらは姉がジェームス殿の話を聞きつけて突撃しに来たが、居ないとわかると帰って行った。


それから、妹が私達の異父妹だと気がついたかもしれない。

妹は母に問い詰めていたが、今の母と妹は静かにしてる。


父がいると面倒だから、そちらに送った


殿下はつまらなそうにしてるぞ またな』



はあ!? 兄までぶっ込んできたわ!!


お姉様の事は、まあいいとして、アリアは誰が父親なの? 色や顔で似てる所はあまり無いなとは思っていたけど・・・

アリアは大丈夫かしら?


殿下の件は絶対にそんな事はないからね、お兄様!




ここに来た時の明るさが半減した父が、トボトボとこちらに歩いてきた。


「はー、終わったよ、行こう」


このくらいのテンションの方が、初対面の人にはいいわね


「歩いてすぐだから行きましょう」



しかし着いて早々、絵を描いたルーに文句を言っていた。

はぁ、元気になってしまったわ


「ジェシカは僕の絵を送ったの? 自分の絵を送ればよかったじゃないか! ちょっと待って・・・・・お父さん! こちらが、ジェシカ画伯が描いた絵です」


「!?、 ぶーっ、何これ!黒塗りのこれは人? ジェシカ、君にも不得意な事があるんだね!ぶっ」


くっ、父にバカにされるなんて、悔しいわ!


「でも挿絵を入れる発想は最高だよ!僕が絵も描くね!」


そう言って、描き始めた父の絵は上手かった


「お父さん、すごいよ! 文才だけでなく、絵も上手に描けるなんて!」


「てへっ、恥ずかしいけどうれしいよ!」


「絵ができ次第、本にして売り出しましょう!」


「うん! やる気でてきた!」


「本の表紙にも絵を描きませんか?」


「いいね!」


なんかこの2人、相性良さそうね




その後、父は集中しまくり、10日ほど部屋から出てこなかった。


流石に心配だから、何度か部屋に食事を運びに行ったけど、


「ありがとう。区切りがついたら食べるから、置いといて」


こちらを振り返る事もなく、黙々と作業にあたっていた。


領地経営もそのくらい頑張ってほしいわね。



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