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ジェシカ・トレバーの日常  作者: ぱんどーる


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17/22

お祖母様

気が重い。

やはり幼少の頃を思い出すと、足が進まなくなる。


でもなんか可哀相じゃない?

誰も見舞いに行かないなんて。


叔母様に手紙を書いたが、葬式の時に連絡してと返事がきた。


家にいる、父、母、兄、妹に聞いて見たが、全員が「行かない」のひと言。


姉にも手紙を書いたが、

『 私、お祖父様と母の子なのよ? どの面下げて見舞うの?』と返事がきた。


それでも、1人くらい一緒に来て欲しかった!



屋敷に着き、部屋に案内される


ベッドに横になってるお祖母様

思った以上に調子は良くなさそう


「お祖母様、ジェシカです」


「・・・」


目をあけて、視線だけ、こちらに向けた


「お身体の調子はどうですか?」


「・・・あの時・・・お前はどこにいた」


修羅場の時でいいのかしら?


「・・・叔母様の所にいました」


「・・・そうか・・娘は元気だったか?」


「・・・ええ」


「・・・私の子供達は不出来か?」


「いえ、父は文才、画才に長け、成功しました。 叔母様は、語学に優れています。 2人とも尊敬できる方です」


「・・・そうか、私は失敗作を産んだわけじゃないのだな」


お祖父様に言われ続けてたのかしら・・・


「はい」


「・・・孫まで、ダメと言われたらいかんと思って、厳しく稽古した。・・・ジェシカ、すまんな」


「いえ」


「近くに・・・来い」


お祖母様の近くに行く


「私とお前だけだ・・・背中を出せ」


「っ!!」


簡素なワンピースを着ているので、脱ぐのは簡単だから、ボタンを外し、背中をお祖母様に向ける


「あの時は・・助けてやれず・・・すまなかった」


お祖母様が背中をなでる


「頭では勝てぬが・・・力では少しはやり合えたはずなのに、見て見ぬふりをし続けた。・・・ 私のも見てくれ、息子達も同じようにあるぞ・・」


え!

父達もあるの? お祖母様までぶっ込んできたわ!


お祖母様が横を向いたので、寝間着をめくる。


「!!」


私の傷跡より、たくさんの鞭で打たれた傷がある

これが父と叔母様にもあるの?

本当にひどいわ


「・・・なんでお祖母様はお祖父様と結婚したの?国も違うし、もっといい人がいたはずなのに・・」


「ふ、むこうが惚れたと言ってきたんだ、 釣った魚に餌をやらぬ、典型的な男だったな」


「・・・国には帰れなかったの?」


「反対を押し切って、この国に来てしまったからな」


涙が出てくる・・・


「我慢しすぎだよ、お祖母様・・・ぐすっ」


「・・・はは、泣いてくれるのか」

私の頭を弱々しくなでるお祖母様


「お祖母様、お祖父様を殴っていい? 酷すぎるよ」


「ああ、思いっきりやれ。・・私の分、息子と、娘の分も頼んだぞ・・来てくれて・・うれし・・かった・・」


え?

お祖母様?

このタイミングで?


「お祖母様!! 誰か!! 誰かきて!!」


使用人がきて、医者を呼んだ



お祖母様は・・・亡くなってはいなかった。

眠りについただけ


紛らわしい!!


でもまだ息があるなら父と叔母様には、お見舞いに来てもらわなくちゃ!

お祖母様が可哀相だわ


帰ろうとしたら、お祖父様に会った


「騒いでおったから、くたばったと思ったが、違ったらしいな。人騒がせな」


う、やはり目の前にすると怖いわ

でもあなたの事は色々許せないわ!


「なんじゃ、その目は。 生意気な・・・もう来るな」


「なんでお祖母様も父も、叔母様も私も鞭打ちするの?なんで父の本を邪魔したの?なんで母と子を作ったの?気持ち悪い!!なんで 私と兄に過剰な教育をしたの?

ヒューバードの事は可哀相と思えたなら、何故私達にはその感情を向けてくれなかったの?あなたのせいで皆、辛い思いをしてるのよ!?」



殴るがガードされた、クソ! この人、衰えていないわ!



「可哀相なんて感情を持ってしまってから、儂の道が閉ざされたのだ。そんな感情はあの時の1度で捨てた。 お前にもそう教育したはずだが?」



頬を殴られる、ぐっ



「あいつもやり合えると思って一緒になったが、所詮、女だった。勝てないから傷が残るのだろう? 弱いくせに歯向かうから、罰を与えるのだ」



勢いをつけ、蹴りを入れる! はいった!

今のはお祖母様の分!



「女、子供に手加減しないなんて紳士じゃないわ!」



パンチはかすっただけ、素早いジジイめ!



「・・・相変わらず、お前も弱いな。 それで挑んで来るのだから相当バカだそ?」



また頬を殴られる。くっ、痛い、クソ、クソ



「まともに育ったのは、ロデリックだけだな」


「あなた以外、みんなまもともよ!!」



蹴りが入った! 今のは叔母様の分!



「ふん、勝てないケンカを挑むのがまともか?」


腹に蹴りをくらう。


「う・・・かはっ・・」


膝をついてしまった


「ふん、もう終いか、威勢だけだったな 」


一方的に蹴られる。 クソ、クソ、クソ





「ジェシカーーーーー!!」


え? ルーの声?


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