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ジェシカ・トレバーの日常  作者: ぱんどーる


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14/22

ただいま

懐かしく感じてしまう我が家に帰ってきた。


ルーは、もう少しかかるらしい。

こちらに来てもすぐ、陛下と殿下に呼ばれているらしく、再開できる日はまだわからない。


出迎えてくれたのは父と兄だけ。

ま、いつものことか。と気にはしない


その日はゆっくりと休んだ。


「ジェシカ! 来たね! これこれ! 新しい新作!イーブンに行ったら、インスピレーションがどんどんわいちゃって!」


「ちょ、ちょっと待って!」


「筆が進む、進む! 僕、絶好調!!ねぇ、 早く読んー」


足を捌き、転がす


「ギャ!!」


「その前にちょっと待って! 本は後でちゃんと読むから」


床に座りこちらを見上げ、


「ん? どうしたの?」


「えっと、ルーファスと婚約したいのだけど、手続き進めてくれるかしら?」


「ルー君のことが好き?」


「うん」


「ルー君は・・・ジェシカが大好きそうだったね。

よし、いいよ! ロデリックに頼んでおくよ!」


がくんっ、結局、兄に丸投げなのね。


「もう僕は引退した!作品に集中するんだ! ほらロデリックは頭がいいだけじゃなく、強いから護衛に最適でしょ?でも側近になりたくないんだって。お誘いがしつこいらしくてね。なら当主交代だ!ってね。テへっ」


そうだったのね、兄が納得いってるならいいわ


じゃ、父の新作を読んでみる。ふむふむ・・・


くー、面白い! 挿絵もいい! きっと売れるでしょうね! 納得いかないけど。


「うん、イケるわ。今度こそ、この国でヒットさせましょう!」


「え? またイーブン語にして、イーブンでも売るよ! エーブン、オーブン、カーブンまではジェシカいけるよね? 世界的に有名になろうよ!!」


また調子に乗って言いたい放題ね・・・

相変わらず、殺意が湧くわ


「ひっ!!」


「自分で語学の勉強をしてちょうだい!」


乱暴にドアをバッタンと閉めて、兄の所へ向かう





「お兄様、今大丈夫?」

「ああ、また父は調子に乗ったか?」


バレてるわ


「新作をイーブンだけじゃなく、エーブン、オーブン、カーブンまで広げたいらしいわ。それより 当主交代したの?」


「ふ、ああ。 ローレンス殿下なら仕えても良いと思えたが、立太子した第2王子殿下からの誘いだったから、断る為に当主になった」


殿下ではなかったのね・・・

口は悪いけど、優秀なのにもったいないわね。


「ふ、ローレンス殿下が断ったそうだ。 外交を担当するらしいぞ。お前を諦めてないかもな。 連れ回されるかもしれないぞ」



「ふ、ルーと上手くいってるうちは何も言ってこないだろう。そこら辺は弁えている方だ。大丈夫だろう、仕事を振られるだけだ」


ならいいけど。 ルーを不安にさせたくはないわ


「ふ、 本当に好きなんだな」


「う・・・」


「ふ。はは、可愛い妹だったが、更に可愛さが増したな」


頭をなでられる


「お兄様、・・えっと・・ルーと婚約したい・・・です」


「用件はそれか? こちらに帰ってきた時点で手続きしてある。2人は婚約しているぞ?」


え。 父と違い、やることが早い!!


「ありがとう」

「ふ、ああ」


「・・・母とアリアはどう? あと姉達も」


「母は部屋から出るなと言ってあるから、部屋から出てない。妹の方も何故か部屋から全く出てこないな。 妹は食事をきちんととってるらしいが、母は食事にも手をつけてないらしい」


心配ね・・・


「姉は、離縁にはなってないが次はない状態らしい。ま、そう言ってるのはご両親だけで、旦那は離縁するつもりはないらしいぞ。良かったよ、戻ってこなくて」


旦那様はお姉様の事、愛してるのね。

ご両親とは大変かもしれないけど、頑張ってほしいわ


「祖父はお祖母様の看病中だな。本当に看病してるか怪しいが・・・。あれ以来、お祖母様が寝たきりになってしまった。 祖父の処分についてだが、全ての権利、財産は押さえてある。 最初は牢に入れておくのが妥当かと殿下と話しあったが、修道院に入れることにした」


「お祖母様のお見舞いに行きたいわ」


「わかった、手配しておく」

「ありがとう」

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