右肩が痛い
私は夜中、目を覚ました。枕元の携帯電話を見ると午前三時過ぎ。
ここは勤務先の会社が所有している宿泊施設。一泊二日の社員研修で、他県からやって来た。
ホテルではない為、各部屋にトイレや風呂はない。
それ以外、特に不満もない。
私が普段、夜中に目を覚ます理由はトイレに決まっていた。しかし、今は特に尿意もない。
いつもと違う場所に泊まっているから、眠りが浅いのか?
そんなことをぼんやり思ったとき、何故か私は窓を見た。理由もよく分からない。
――――ピョコッ
夜の暗闇しかない、真っ黒な窓ガラス。その窓枠の下からオカッパの子供の顔が覗いた。
目が合った。確かに目が合った。
――――ピョコッ
子供の顔は引っ込んだ。
(はああああああっ!?)
私は布団を被った。窓を確認しに行くなんて考えもしなかった。
怖いっ! 本当に怖いっ! 今、「何か」に布団を引っ張られたら、きっと私は死んでしまうっ!
私が泊まっている部屋は四階。
ベランダはないのだ。
あの子供は――――
翌朝、私は目を覚ました。当然、窓には何もいない。
ただ、その日から右肩が異常に痛くなり、上がらなくなってしまった。
一週間くらいで治った記憶がある。
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最後までお付き合い下さり、ありがとうございます。
「おい、なんだよ? オチもろくにないぞ」
「朝、ガラスに小さな手の跡があったとか、思いつかないのか!?」
「何か事故で小さな子供が死んでいたエピソードを足せば?」
などなど、不満もあると思います。
でも、この話には何も足したり、引いたりしたくないんです。
この話、私、野中すずの実体験だからです。
今も思い出すと怖いですよ。「寝ぼけていた」で終わらせてしまえば私も楽なので、そうしたいんです。
ただ、右肩がおかしくなった事実だけは誤魔化せません。
私は基本的に神様も幽霊も「いる訳ない」と思っているんですが、怖いものは怖いです。
今度こそ、最後までお付き合い下さりありがとうございます。
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