表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

IF

作者: 鮮唱 小兎

「わたしたち、ずーっとともだちだからね!」


ーーこんな約束を、年長さんの頃にしたんだ。




私とざくろは、年少さんの時からずーっと一緒。


「ざくろちゃん、いっしょにごはんたべよ!」

「ざくろちゃーん! いそがないとようちえんにおくれるよー!」


毎日一緒にご飯を食べて、毎日一緒に幼稚園に通って。

全てにおいて、私たちは一緒だった。

この関係は小学6年生になっても続いた。


「ざくろ、鬼ごっこしよ!」

「ざくろぉ、聞いてよ……。今日の算数のテストがねぇ……」


私は一度話すと止まらないタイプだから、よく話が一方通行になる事が多かった。

私はいつも「ごめんね」って言っていたけど、ざくろはそんな私を笑顔で許してくれていた。




時が経ち、私たちは『親友』という薄っぺらい言葉では言い表せないほど、仲良くなっていた。

でもある日、ざくろは変わってしまった。

話しかけても、ざくろは返事をしなくなった。

無視をするようになった。


「ねぇねぇざくろぉ! ……聞いてる?」

「ざくろ、私なんかした?」


いくら質問しても、ざくろは聞いてくれない。

というより、まるで私がいないかのような対応だった。


ねぇ……、ざくろ。

あの時の……、幼稚園のときの約束はどうしたの?

ずーっと一緒なんじゃないの? あれは嘘だったの?

返事をしてよ……、ざくろ……。

私を……、居ないものとして、扱わないでよ……。


もし、ざくろが私の事を嫌いじゃないんだったら……。

もし、またざくろが私を見てくれるようになったら……。

もし、もうざくろが私を見捨てないって、あの時みたいに約束をしてくれるのなら……。

もし、またざくろと喋られるようになるんだったら……。


「もう……、何もいらないから……!」











「……ざくろー、聞いてんのー?」

「……え? あ、あぁ、どうしたの?」

「もう……、話聞いてた?」

「いや、全然……。ちょっと今、昔の友達のことを思い出して」

「昔の友達? どんな子だったの?」

「えっとね……、私が一人の時に突然話しかけてきて、年少さんの頃からいつも一緒に居たんだよね。

でも最近、見ないなぁって思って」

「……ざくろ、その子ってもしかして、私たちと仲良くなってから会わなくなった?」

「え……? 何で分かったの?」

「ざくろ、多分それ……」




“イマジナリーフレンドだよ”

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ