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第八話 終決

最終話です。





 翌朝の十一月十五日、ガダルカナル島守備隊司令官のバンデグリフト少将はヘンダーソン飛行場の壊滅的被害に思わず天を仰いだ。


「何という事だ………」


 滑走路は尽く破壊されていた。


 コンゴウ級の艦砲射撃が終わり、漸く去ったと思って滑走路の修復をしようとしたら今度はナガト級を連れてやって来た。


 そして四隻からの再びの艦砲射撃に精神に異常を満たす兵士が続出してしまった。


 全てが終わった朝方に漸く滑走路の修復に掛かったが、被害は壊滅的甚大であった。


 F4F戦闘機は僅かに二機、SBD艦上爆撃機は三機しか無事な物があったが、五機だけで何が出来るのだ?


 初戦のウェーク島みたいに上手く時間を稼げるかもしれないとバンデグリフトは思うが、そんな期待は無かった。


 海岸の対艦砲台や、ジャングルに設置していた速射砲や戦車、機関銃座は破壊されていた。


 更にツラギ島のPTボートも二十隻余りが撃沈。


 ガダルカナル島泊地に停泊していた輸送船九隻も沈められた。


「……とにかく、ハルゼー中将に報告しなければ……」


 バンデグリフトはそう呟いた。


 しかし、米軍にツキは無かった。


 その日の夜、南雲中将の第八艦隊と近藤中将の第二艦隊が第三八師団と太田実大佐率いる海軍陸戦隊四千人を乗せた輸送船団を護衛しながらガダルカナル島に突入した。


 長門と陸奥、重巡がヘンダーソン飛行場に艦砲射撃をする最中に輸送船団は、兵員、物資、重火器を無事に上陸させた。


 艦隊は無傷で帰還した。


 その後、艦隊は先の海戦で損傷した艦をトラック島に向かわせた。





―――ガダルカナル島―――


「目標、敵飛行場ッ!!全軍突撃ィィィーーーッ!!!」


『ウワアァァァァァーーーッ!!!』


ガダルカナル島総司令官百武中将の叫びと共に、残存の第二師団や第三八師団、海軍陸戦隊、揚陸した戦車部隊が重砲の援護射撃の元、一斉に突撃を開始した。


ダダダダダダダダッ!!


 米海兵隊は必死に抵抗するが、その隙に西村少将の第七艦隊がガダルカナル島に突入。


 陸軍の突撃を援護する形で、ヘンダーソン飛行場に砲弾を叩き込んでいく。


「駄目ですッ!!滑走路の南側からジャップが突撃してきますッ!!」


「くッ!!」


 海軍陸戦隊が敵の防衛線を突破して滑走路に突撃して、第三八師団の部隊も防衛線を突破する。


「……降伏だッ!!白旗を掲げろッ!!」


 これ以上は抑えられないと踏んだバンデグリフト少将は遂に降伏を決意して、指揮所に白旗が掲げられた。


 米軍の前線で降伏が伝えられると次々と攻撃を止めた。


 遂にガダルカナル島は日本軍が再占領した。





―――戦艦長門艦橋―――


「南雲長官。ガダルカナルは落ちたようです」


 大西参謀長が南雲に通信紙を渡した。


「……そうか。これまでの苦労が報われたな……」


 南雲は傷ついた艦隊を見た。


 南雲の第八艦隊、近藤の第二艦隊は戦艦比叡が大破、長門、陸奥、霧島が中破していた。


 重巡は愛宕が何とか沈まずに大破、衣笠が中破。


 駆逐艦は早潮、暁が沈没した。


 結果的に沈没艦は二隻だけで損傷艦がそれなりにでた。


「米軍は撃退出来たが、FS作戦は無理だろうな。かなりの時間と人材に資材をガダルカナルに投入してしまった………」


 南雲はそう呟いた。





 一方、大本営と軍令部はガダルカナル島再占領の報告を受けて、ポートモレスビー占領とFS作戦を思案するが、今の国力では到底作戦の実行が無理と判断した。


 占領地域を現在地域にしてそこから防衛を行う事が決定した。


 陸軍と海軍の話し合いの結果、ソロモン諸島の防衛線はラバウル、ニューアイルランド島になり、ブーゲンビル島やレカタ、ブナなどの占領地域は全て撤退という大胆さをした。


 ラバウルなどで防衛する間に新型戦闘機や新型艦艇、新型戦車の開発、石油、鉄などの輸送する事を決定したのであった。


 山本五十六はその決定に満足をして、トラック島に飛鷹型、龍驤、祥鳳型を配備させて米軍に睨みをきかせた。





 日本は史実と大きく異なろうとしていた。



御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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