疑問点の確認③
「半田さん」
次第に自分が早口になっているのがわかった。
「半田さんの直近のセックスは婚約者の方とですか?」
「ああ。そうだけど」
半田はやや姿勢を正して言った。
「いつですか?」
「さあ。忘れた」
「今一緒に住んでいますか?」
「うん。まあ」
「籍は入れましたか?」
「いや。まだ」
「婚約者、というからにはもうプロポーズはしたんですよね。指輪を渡したりとか」
「まあね」
「プロポーズの瞬間は、過去にレイプという罪を犯したことは頭をよぎりましたか? どんな気持ちで彼女に指輪を渡したんですか?」
少しの沈黙の後、
「……。うるせえな」
半田は小声で言った。
「レイプされた女性は気づいていなかった。先ほど半田さんはそうおっしゃっていましたが、それは本当でしょうか。実は気づいていたかもしれない。あなたにレイプされて心に傷を抱え、今も苦しんでいる女性がどこかにいるかもしれない。そういうときに、自分は結婚して幸せな家庭を築こうとしている。それについてどう思いますか?」
俺は問いかけた。
下を向く半田。
「今更そんなこと言われても。もう時効でしょ」
投げやりな口調で彼は言った。
「今市さん」
俺は今市の長髪を見た。
「失礼ですが、髪をかき上げて耳を見せてもらえますか?」
「ど、どうしてですか? なんで僕だけそんなことしなきゃいけないんですか。さっきから、あんた、僕にだけ態度違いませんか?」
「必要なことなんです。お願いします」
今市は躊躇した。
俺は確信した。
やっぱり付けてやがる。
シェイプシフターは運営スタッフからリアルタイムで指示を得ているはずだ。だとするとシェイプシフターはイヤホンを装着しているはずである。最近はホストでも耳を出す髪型が主流だから、対象者の中で耳が隠れているのは今市だけ。
こいつは童貞か、少なくともシェイプシフターに違いない。
そう思ったとき、今市がふいに髪をかき上げた。
露出した両耳には、イヤホンは無かった。
振り出しに戻ってしまった。
タイマーを見る頻度が増えてくる。
「福助。何かヒントをくれ」
無視。
それともスピーカーが壊れたのか。
「すみません! デスゲーム運営スタッフの方。福助が壊れたみたいです」
大声でスタッフを呼んでみる。
が、誰も来ない。
しょうがないので、また対象者に質問する。
しかし、すでに話したことの重複や、意味のない会話に終始し、目新しい情報を得られないまま、時間だけが過ぎていく。
そういうことを繰り返しているうちに、次第に自分の投げかける質問に自信が無くなってくる。
例えば、




