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疑問点の確認②

「純君」

 小野寺は「はい」と顔を上げた。

「君は普段、ゲームはやるかい?」

「まあ、人並みには」

「どんなゲームを?」

「戦国武将になって陣地を広げるやつとか、サッカー選手を育成するやつとか。でもそんなにはまっているわけではないので」

「可愛い女の子が出てくる恋愛シミュレーションゲームは?」

「やらないです」

 小野寺はきっぱりと否定した。何かを隠している様子はない。

 小野寺が架空の彼女を現実と思い込んでいるという仮説は間違っていたようだ。

 いや、待てよ!

 うっかりしていた。

 俺は馬鹿だった。

 このゲームにおける童貞は果たして自分を童貞と認識しているのか? 認識していないからどんなに追及されてもボロを出さなのではないか?

 この問い自体が全く意味を成さないのだ。

 なぜなら福助は、童貞は非童貞を全力で演じる、と言っているのだから、童貞は自分を童貞であると重々承知した上で解答者を騙していなければならないのである。 

 普段やっているゲームのことを聞かれ、困惑気味の小野寺に、改めて問いかける。

「じゃあ、何でもいいから俺に情報をくれないかな? 例えばここに来る前にスタッフに言われたこととか。報酬のこととか」

 自分でも変な質問だと思った。

「すみません。さっきも言いましたけど、初体験のことを話したら三万円もらえると誘われて。紙に書いたものを読んでもいいし、彼女の名前も偽名でいいからと言われたので。完全にお金目当てです」

 小野寺は言った。

 先程聞いた話である。

「彼女の名前は偽名でも、玉川上水駅は最寄り駅だよね。地名を話すことに抵抗はなかった?」

「そうですね。特になかったです」

 そういう詰めの甘さも高校生の感覚としてはリアルだ。

「逆に純君から俺に聞きたいことは、何かあるかな?」

「平木さんはこのゲームで童貞を当てられなかったらどうなっちゃうんですか?」

 小野寺は心配そうに尋ねた。

「三年間の強制労働だよ」

「そうですか」  

 社会人経験のない小野寺には、それがどういうことを指すのかいまいち実感として伝わらなかったかもしれない。



「半田さん」

 次第に自分が早口になっているのがわかった。

「半田さんの直近のセックスは婚約者の方とですか?」


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