表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/91

変身

 あのキャメルが照れた様に笑って言う。


 親父が放った使い魔逹が戻って来た。


「帰って来たか」

 使い魔逹は夜の闇の中に消える。


「明日始祖逹がここに集まる。ここでクイーンのお披露目をさせてもらうぞ。疑っている始祖もいるからな。自分の目で見れば分かるだろう」


「親父。タイラー伯父も来るんだよな」

 兄達の視線が親父を見る。


「当然だろう。奴も始祖だからな。問題はユキか? 状況が分かっておらんだろう。大丈夫か?」

 傍で俺に支えられているユキに向かって言う。


「私はどうすればいいのでしょう?」


「何もしなくてもいい。座っていればいい。ユキ。気づいてないようだがお前さんからしっかりとクイーンのオーラは出ているぞ。そうだな、俺の血も飲むといい、きっと面白い事が起きるぞ」

 

 親父はさっと俺からユキを離し自分の元に抱き寄せる。


「マリーは首が好きだったが、ユキは腕がいいのか? 俺は首からが好きだから構わんぞ。ほら、しっかりと飲むのだぞ」

 そう言われてユキは親父の首から吸血する。ユキは旨そうに飲んでいる。俺以外からの始祖の血は飲んでいない‥‥‥兄達にさっき吸血していたが‥‥‥これから何か起きるのか。ユキは満足そうに顔を上げる‥‥‥。ユキからのオーラが変わった! 俺にも分かる‥‥‥これは‥‥‥上位の存在から受けるオーラだ。ユキ‥‥‥‥‥‥間違いなく君はクイーンだ。そこでライザが嬉しそうに言う。


「これからは私の出番ね! しっかりクイーンの衣装を用意しないと! うふっ! 嬉しいわあー! どんなデザインにしようかしらー!」

 とウキウキだ。


「今から作るのか?」

 俺は思わず言ってしまった。


「あのね。何十年もやっているのよ。それに優秀な眷属もいるし、今夜にでも作れるわよ」

 少し膨れるライザに眷属達が宥める。


「悪かったよ。ライザ。ユキをまた綺麗にしてくれ」


「もちろんよー! 任せなさい! ユキのサイズは覚えているからね」

 と、俺にウインクする。問題はユキのメンタルか~‥‥‥いきなり自分がトップだと言われてもなあ、


「それでは、明日この場に!」

 と、親父は部屋を出て行く。俺達も部屋を出るか。ユキと和也と三人で部屋を出た。


「ユキ様。大丈夫ですか?」

 和也がユキを気遣う。


「そうね‥‥‥頭の中がパニックよ。でも、私は他とは違うのね‥‥‥私はどうしたらいいの?」

 俺に縋っていうユキに


「君は何もしなくてもいいんだよ。君の存在自体が奇跡なのだから。気にしなくていいんだ」

 ユキは俺の言葉に何度も頷いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 現代のシンデレラストーリー( ˘ω˘ )
[一言] >君の存在自体が奇跡 こんな言葉はよほど信頼関係がしっかりしていないと受け入れられませんね。
[良い点] ユキがクィーン、すごく美しいのでしょうね。 どんな衣装をライザは作ってくれるのかな? 楽しみです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ