変身
ホテルの部屋に戻る途中に和也が
「ユキ様。帰国する前に用意して頂きますよ。柏木有紀という存在はもう居ないのです。だから、ユキ様にはアメリカ国籍を取得させて頂きました。色んな人種がいる国です。二世三世がいても可笑しくありません。ただ、その外見は日本では知られていますからね。髪は染めて頂きます。他にも瞳の色も変えて頂きます。今の医療は素晴らしいですね。レンズもコンタクトとは違って眼内レンジも入れる事が出来ますのでこの際です。カラーのレンズを入れて別人になってもらいましょう!」
不安な表情を浮かべるユキ。
「大丈夫ですよ。リック様が施術してくださるので心配は有りません」
ユキが俺の顔を見る。ふふふ可愛い。
「大丈夫だよ。ああ見えて世界から引く手あまたの名医だぞ。直ぐ終わる。白内障手術でも日帰りだ」
俺はユキに確認をする。
「日本が治安良いのは分かっているから、だから日本に帰るよ。院長とも約束しているんだ。‥‥‥ユキは辛くないか」
「貴方の傍に居られるだけで幸せだわ。だから、心配しないで」
微笑むユキに罪悪感がない訳ではない‥‥‥。和也が
「50年もすればユキ様の事を覚えている人は居ないでしょう。それからまた日本人に戻ってもいいのですよ」
驚くユキ
「そんな事が出来るの!」
「かんたんですよ」
和也はさらっと答える。
「そうね。別人になって過ごすのもいいわね。私にはマルクがいれば他には何も望まないもの」
ユキ‥‥‥。ユキがそっと俺の頬を包む
「貴方は命の恩人ですもの。これからもずっと一緒って言ってくれたでしょう。マルク。愛しているわ」
思わずユキを抱きしめる。俺はバカだユキは覚悟なんてとっくに分かっていた。ユキは決めているというのに。......俺も覚悟を決めよう族長としてやっていこう。
「では、日本へ帰りましょう!」
和也が言う。
「そうだな!帰ろう!」
「‥‥‥その前にユキ様には変身して頂きますよ」
そう言ってホテル内の美容院に連れて行った。
暫くして。金髪のユキが現れた。
「ユキの金髪かあ。なんか新鮮だな」
ユキは恥ずかしそうに髪をいじる。
「このあとリック様が来られますのでお待ちを」
ホテルの部屋でリックを待つ。
「綺麗な金髪にしてもらえたわ。マルクとお揃いかしら?」
嬉しそうにこっちを向く。
「いろんな人種になってみるのもありかもだな‥‥‥医療の進化は素晴らしいこれからが楽しみだ」
ドアがノックされてリックは入って来て俺に会釈をする。にこっと笑って
「よう! 族長様」
「やめろよ。リック、俺がそんな言い方好きじゃないの知ってて言っているだろう」
「まあな。だが、俺達の族長に変わりはない。挨拶は大事だぞ」
「そうだが、お前は今までのように俺を呼んでくれよ」
「わかったよ。で? 彼女の瞳を変えればいいんだよな」
「はい。用意は出来ております」
と和也はユキとリックを連れて行った。




