カクテルドレス
「何をぼーっとしてるの? マルク! どう? 彼女、素材がいいから気合入っちゃったあー!」
と、ご満悦のライザ。
「‥‥‥これってカクテルドレスってやつでしょう? いいのかな、こんな素敵なドレス着せてもらって」
ユキは嬉しそうだ。
「本当はウェディングドレスを着せたいのだけど、今度、私がデザインしたドレスを着せるわね!」
とユキにウインクする。
「ユキ。綺麗だ」
俺は心からそう想った。和也も
「ユキ様お美しいです」
そう言った後ユキの背中を押す。ユキは俺の胸の中に‥‥‥。
「さあ! 今夜は楽しんで!」
とライザと和也はドアを閉める。今更だがドキドキしている俺‥‥‥。ユキの鼓動も伝わってくる。何だか照れくさい。
思わず抱きしめ口付けを互いに交わす。何度も。ユキの匂いが俺を誘う。ユキも同じ事を思っているようで顔がほんのり赤い。
「マルク。いいわよ。私の血を、その牙を首に沈めて!」
俺はユキの首筋にキバを沈める。ユキは甘い声えを出す。
「マルク! はあ‥‥‥」
俺達はそのままベットへ…ユキの血は旨い。ユキ、ユキ。ハッとする! つい飲みすぎたかも知れないと思って牙を抜く。
「悪い。飲み過ぎたかも知れん。辛かったらいってくれ。ユキ‥‥‥でも‥‥‥本当に綺麗だよ」
「マルク。私、本当に幸せよ。噛まれて眷属になったからではなく。貴方の兄弟等の存在も私にとってかけがいのないその1つだわ」
「そう言ってくれると嬉しいよ。兄達もユキを気に入っているようだから、良かったよ。癖が強いからなあ、心配していたんだよ。怖がったりしないかなって」
「そんな事ないわよ。頼もしいし、それに、ライザさん。キレイでお兄さんとは思えないわ。お姉さんみたいで私、嬉しいの!」
「そうか、ひとりっ子って言っていたっけな。でもなあ。集まるとうるさいけどなあ」
「私は、楽しいわよ」
その夜は2人身体を重ねる。
「眷族は主に血を捧げる。その身も、って和也くんから聞いて凄く嬉しかったの」
そう言ってじゃれつくように首に抱きつく。
「ユキ。これからは君が思うより時間は長い、でもこれからはずっと一緒だ。俺も嬉しいよ」
そんな他愛のない会話をしながら2人で夜を過ごす。




