イタリア見物
俺達はイタリアに着いた。
「兄貴達はこれからどうするんだ。このまま今日は向かわないんだよな」
キャメルは
「そうだな。今日はイタリア見物でもするか? そう焦って乗り込まなくてもいいだろう。きっとあっちにはどうせ俺達の事は伝わっている。後ろにいるのが‥‥‥本当にアイツなのかどうかもわからん」
ライザは
「久しぶりのイタリアですもの、ちょっと買い物してもいいでしょう? ホテルはいつもの所でいいんでしょう? それじゃあ行ってくるわ。ホテルで後から会いましょう」
そう言うと眷属と一緒に街の中に行ってしまった。残された俺達も
「ライザがそう言っているんだ。俺達もホテルに戻るまでちょっと出かけてこようぜ」
ホテルはマイキーの眷属がオーナーのホテルだ。荷物をホテルに持って行ってもらおう。ユキは初めてだからな、案内でもするかな。
「ユキは、イタリアは初めてだろう?」
「そうね。旅行で少し来た事はあったけど。マルクは何度も来ているの?」
「そうだな。学会でもよく来ていたよ。この国の大学でも講義をしたな」
「まさか! あれをここでもやっていたの!」
「そうだよ。大都市と言われる場所では殆ど講義している。だから、マイキー兄には毎度世話になってるよ」
ユキは瞳を輝かせて街並みを見ていた。
「ユキ。その辺でも歩くか? 兄さん達もそれでいいだろう。後はホテルで話そう」
「構わないぞ。俺とキャメルは軍の関係でそっちへ行って来るからな。後でホテルでな!」
そう言って二人は行ってしまった。
「俺達も街へ行くか! 和也も一緒に観光しようぜ!」
三人で街中を行く。ハンターの視線は感じているが、ユキに不安な思いはさせたくない。その事は黙っていよう。この街のマフィアもマイキー逹の息がかかっている。
この国には眷属は何故か多いんだ。ハンターもきっと狙っているんのだろうが、マフィアとの抗争はハンターも望んではいないだろう。だが、気を付けているに越した事はない、気配は感じるからこのまま街中にいた方がいいだろう。
街の中を歩きユキは楽しそうだ。そこで急に俺に振り返って聞く
「私、人間を襲ってしまったりしないかしら‥‥‥」
「そんな事を心配していたのか‥‥‥和也から聞いただろう? 吸血衝動は急にくるものでは無い。定期的に血液を摂っていれば問題ないって」
俺はそっとユキを抱きしめる。
「これから少しづつ覚えて行けば良い。時間は沢山ある」
「‥‥‥そうね。」




