刺客を倒す。が。
マルクに向かって放たれた弾丸はマイキーの持った盾によって弾かれる。
「そんな柔らかい物質などこのダイアモンドの粉で作った盾に敵う訳ないだろう?」
いつの間に来たのか俺の前にマイキー兄がいた。
「自分の弱点位知っているさ」
「!」
俺はとっさにその男の口の中に布を突っ込む。
「むぐっ!」
「今死なれては困るんでね。教えてもらおうか。お前の知っている事を」
俺は男の目を見つめて思考を操る。その目は瞼を半分閉じて虚ろになる。
「‥‥‥教祖に言われて来た。ヴァンパイアを始末しろと命令された」
フラフラしながら話しをする男。
「教会の裏に誰がいる!」
俺は強く念じて言う。
「‥‥‥知らない。教祖の顔も誰も見た者はいない。噂ではその教祖も不死の生き物で、人間を支配したいのだと思っているんじゃないかって‥‥‥噂でそう言われている」
そう言った後男は倒れる。
「こりゃあ乗り込むしかないな」
マイキーが頭を掻きながら言う。
「そうだな」
皆も言う。
「それで、この国の軍隊はどうするよ」
キャメルが嬉しそうに言う。
「俺が貰っていいか?」
マイキーは
「今の国の代表者と話して来るよ。それで許可をもらったら国連から多国籍軍に加わるように手配してやる。しばらく待ってろ」
「おう! そこは任せた! 面倒な事は苦手だからな。俺の配下が増えるのは助かる」
「という事で暫くこの国にいる。お前達好きにしてろ、乗り込む時が来たら伝える」
俺はライザに後ろから押される。
「彼女が心配して待っているわよ。マルク」
マイキーは
「乗り込む時は一緒だ。それまでいちゃついてろ」
「分かった。で、誰が俺を送ってくれるんだ?」
「私の眷属にお願いするわ。だってこれからマイキー達は忙しくなるでしょう? 宜しくね!」
「お任せを」
と膝を着いて頭をライザに下げる。まだこんな事させてるのかよ‥‥‥。ライザらしいが‥‥‥コイツ等も案外喜んでいるのか? まあいい。今度は有紀と一緒に居られる。その事が何より嬉しい。和也から定期的に連絡は入るから、有紀が元気なのは知っている。海外のそれも決して衛生状況がいいとは言えない場所だが、有紀は健康だ。頼もしい。日本人は潔癖だから直ぐ腹の具合は悪くなったりしていたから、心配していたが‥‥‥案外丈夫なんだな。電話で和也に連絡をする。
「和也そっちに一旦帰るよ。決戦はもう少し後だ」
「承知しました。有紀様も喜ばれるでしょう。私から伝えておきます」
「ありがとな! お前がいるから安心してそっちを任せられる」
「では、お帰りをお待ちしてます」
この後は間違いなく決戦だ。決着を付けないとな。




