刺客
有紀は和也に託して俺は兄達が待っている場所に向かう。キャメルとライザ、その眷属と一緒に向かう。国連軍の駐屯基地に入る。
「兄のマイキーに逢いに来た。俺はマルクス。ドクターだ」
そう言って証明書を見せる。キャメルとライザは顔パスのようだ。何も言われずに入れた。目立つから覚えられ易いのだろう。
俺達はマイキーのいる部屋に通された。
「来たか」
マイキーは嬉しそうだ。と、急に顔色を変えて
「お前は誰だ! ここに入って来られるなんてどうやった!」
と、後ろの兵士に怒鳴る。
その男は
「あーあ。上手く潜り込めたと思ったんだがな」
と、不敵に笑う。
「お前達化け物を倒す為に来たんだよ!」
と拳銃を向ける。その玉は銀製品だろう。その拳銃をマイキー兄に向ける。
「お前が長男のマイキーとか言う奴だよな、実質今のヴァンパイアの長だろう? 族長の親父さんも今は行方知れずだもんな」
と、そこの男と俺は目が会う。途端にその表情は険しくなる。
「お前がマルクスか!」
そこで、その男が俺を物凄く睨む。
「そうだ。俺はお前に何か反感をかう事でもしたのか?」
「お前が教会で暴れたのは知っている。そのせいで俺等家族の家系は貴族から平民に成り下がった! お前にはこの侮辱された俺達家族の気持ちは分かるまい! 多くの眷属を従えるお前等には無理だろう!」
俺を睨む男に俺は
「普通の人間で何がいけない! 食べる物や満足に治療出来ずにいる者もいるというのに!」
「だから! そんな生活が嫌なんだ! 貴族だったのに、お前のせいで‥‥‥平民に‥‥‥許せるかー!」
「当時の貴族もまだ居ると言う事だな。いいじゃないか、自由だぞ。あんなしがらみなんかに絡まれるより、よっぽどいいじゃないか」
「俺達はそのしがらみからは抜けれない。教会はオレ等を駒としか思っていない。そんな教会の奴らなんか知った事か! 俺達一家を貴族から平民に落としたお前が憎いんだ! 弱点はわかっている。お前の母マリーの元へ行くがいい!」
そう叫ぶと今度は銀製の弾が入った拳銃をマルクに向ける。その男に向かって俺は叫ぶ。頭に来た! 言いたい事だけ言いやがって!
「俺は! お前等教会の奴等に騙し打ちされたマリーの事は、俺のこの目の前で起った。決して忘れない! 握手をすると見せかけて、ナイフで心臓を貫いたんだ! 卑怯だ! マリーは和平を望んでお前等と和解をする為に来たのだ。それを! それを! 俺は絶対許さない!」
そう叫ぶ。拳銃はマルクスに向かって放たれた。




