作戦会議
皆が集まる中で今後どうするか、作戦を決めていく。民間人の人間に被害が起きないように。それから、ハンターに対してどう対応していくか。マイキー逹兄は
「マルク。お前はリックと一緒に彼女の所で傍にいてやれ。俺達は別行動をする。いいよな?」
そう言って他の兄達の顔を見る。皆頷き
「もちろん。それでいい。リックの持ってきた情報のハンターは俺達に任せろ。ここにいる奴等は俺達が狩る。この戦場から生きて帰らせない! なあライザ。ここは俺達の出番だぞ」
キャメル兄の顔が怖い。薄っすら笑顔だ。ライザも嬉しそうだ。
「だが兄貴達、他の国にいるだろうハンターはどうするんだ? リックが持って来た情報は確かだ」
俺は聞いた。
「その辺は俺に任せろ」
マイキーの笑顔も怖い。リックが持って来た資料や情報を集めて何処かに電話をかける‥‥‥兄貴。
もしかして、軍を動かすつもりか!
「安心しろ軍は使わない。CIAのような特殊機関に動いてもらう。とどめは俺と眷属がする。やられる前に潰すか、機密情報を流すかは俺が決める。ハンターなんぞに好き勝手やらせない! 教会本部もこの際、潰すか?」
俺の目を見て言うマイキーは真面目に言っている。
「本部の誰が黒幕か知りたい。俺達は平和条約を結んでいる、それを破ったのは奴等だ。だが、マリーは和平を望んでいた。人間と敵対したいなんて思っていないんだ。それは俺も同じだよ」
相変わらず母親の意思を尊重したいと言う俺を鼻で笑うようにマイキーは言う。
「このマザコンめ」
俺はその言葉に
「悪いかよ! 俺は母が好きだよ。その思いを意思をこれからも伝えて行きたい! そう思っているさ。何が悪い! これは、他の種族を守る為でもあるんだ!」
兄達に向かって言う。
「悪いなんて言ってないだろうが。俺達はそんなお前が誇らしいだけだよ」
マイキーは俺に言う。それって‥‥‥単に俺の勘違い、なのか‥‥‥。
「笑って悪かったよ。お前があんまり母親と同じ様に言うからついな。末っ子の甘えん坊が一人前に言うようになったなあって感心してたんだ」
と俺の髪をくしゃっと掴み優しく見る。そう‥‥‥だったんだ。! そうだ! 有紀の所に行かないと! そんな俺に
「行って来い! お前の愛する者の所へ!」
兄達が背中を押す。リックはにっと笑って俺を見る。さあ、今度こそしっかり有紀をこの腕に抱き締めるんだ。リックと一緒に建物を出る。
キャメルが言う。
「ライザ。お前も眷属と一緒に行って来い。血に飢えているのは分かっている。ハンターを食って来い! お前は大食いだからなあ。構わないぞ、遠慮はいらん。ただ変装はしろ、俺達の顔はバレてる」
「ふふふ。じゃあ、そうするわ」
ライザは闇の中笑い、ゆっくり眷属と歩いて行く。




