ハンターの情報
そこでマイキーが有紀に近づき匂いを嗅ぐ。そしてニカっと笑うと、
「お前さん。特別な血液型だったりするのか?」
その言葉に驚く有紀。
「そうです。スゴイですね! 分かるものなのですか?」
「美味そうな匂いがする」
俺は慌てて有紀とマイキーを離す。
「ははは! 何も、とって食ったりしないさ。安心しろ」
と自分の腰に腕を当て笑う。
「兄貴は油断ならんからな」
俺は兄の顔をじっと見る。
「おい、おい、そんなに怖い顔をするなよ。俺はそんなに信用ないのか?」
「なんせ前科があるからな」
俺はむっとしながら言い返す。
「まだあの事を根に持っているのか? もう何百年も前だぞ。確かにお前のお気に入りの人間を眷属にしたが‥‥‥わかったわかった。近づかないよ」
と両手を挙げる。有紀は嬉しそうに俺を見る。
「羨ましいわ。私は一人っ子だから」
俺は何だか照れる。
「多いと、うるさいだけだぞ」
そこにリックが現れる。
「よう! マルク!」
と肩を叩かれて言われる。
「もう来ていたのか? 早いなあ」
有紀も嬉しそうに俺を見る。
「友人のリックだ。あの部屋の前の住人だよ」
有紀の表情が変わる。
「‥‥‥‥‥‥」
「マルク。俺はお前の彼女に、どうしてそんな顔で見られているんだ?」
「ええーっと。まあ気にするな!」
そう言って背中を叩く。リックが喉を鳴らしてくつくつと笑う。
「それにしても、スゴイ光景だよな。ウェンベリンの兄弟が揃うなんてなあ」
そうだな。もう何百年と会ってなかったから。母の時も俺は暴れたが、止めに入ったのは父だったしな。今回多分リックは何かしらの情報を持って来ているのだろう、その顔に余裕が見える。
「まあ、揃った所で伝えたい事があるんだ。中に入って話そう」
リックからの情報か。俺は有紀に、
「有紀はそのまま治療を優先してくれ、後からリックと行くよ。リックもドクターだからな!」
そう言って皆と建物の中に入る。
♢♢
紛争地域での建物にしては頑丈に作られている。俺達が座り終えるとリックが沢山の資料をテーブルに置く。
「ハンターの身元を掴んだよ。これで全員のはずだ」
そこに置かれた資料を見て俺は目を疑った。そこには医療班のメンバーがいたからだ。ドクターに紛れていたのか! 間違いない、俺をターゲットにしてきている。俺は青ざめる。その様子を兄達は見て
「マルクを狙っているのは確実だな。あの有紀っていう娘も狙われているって事か」
兄はリックに確認する様に聞く。
「そうだ。彼女は狙われている。だが、マルクの眷属が彼女をガードしていて、手を出せないでいるようだ」
和也か。‥‥‥感謝だな、いつも俺の不安材料を払ってくれる。頼もしいよ。だが、これからどうする。




