ハンターと教会
俺は空港で和也のプライベートジェットに乗る。そこには眷属だろう者が居て俺に会釈をする。
「ここはもう私達の空間です。ハンターは逃がしましたが‥‥‥」
和也の耳にインカム? が見える。
「‥‥‥そうか。深追いはしなくていい」
ふーっと溜息を吐く和也。
「‥‥‥日本の眷属が何人かハンターにやられたようです。あの場面を見たのでしょう。マルクス様、今後貴方がハンターに狙われる可能性があります」
和也が辛そうに言う。
「何でお前がそんな顔をするんだ? これもお前が仕組んだんだろう?」
そう俺が言うと。
「やはり気づいていらしたのですね」
「あんなに至近距離からの攻撃をかわさないのには何かあるんだろう。しか、俺には解らんがな」
肘をついて俺は和也を見る。
「マルクス様の正体はいずれバレるでしょう。ウェンベリン家は有名です。ハンターも狙っているはずですから」
「まあなあ~。あの時はかなり暴れたからなあ。上に目を付けられていても可笑しくない。だが、今まで動きの無かった教会の奴等が何故動き始めたのか気になる」
「リック様へは連絡されていないのですか? あちらでも動きがあったようです。直接聞かれた方が良いかと」
そう言って電話を俺に渡す。これは直通電話か! 確かに盗聴されていては困る。
「これで直接お話が出来ます」
笑顔の和也‥‥‥お前。有能すぎるだろう! そうやって、マリーを甲斐甲斐しく世話をしていたに違いない。それも喜んで。俺は電話を手にとり話す。
「リックか?」
「そうだよ。それにしてもお前の所の眷属は優秀だな。この電波も誰にも邪魔されない、特別な衛星を使っているそうだ。どうやって買収したんだか。かなりの額を使ったんじゃないかな?」
電話の向こうで笑っている。‥‥‥俺も同意するよ。彼は有能だ。
「それで? そっちはどうなっている?」
「こっちでも動きがあったよ。ハンターが動いている。そこはプロだから、なかなか尻尾を捕まえさせてもらえないよ」
「こっちでもハンターを捕まえたが、聞く前に消されたよ」
「同じだよ。俺も捕まえて指導者の名前を吐かせようとしたが‥‥‥」
「奴等ハンター逹は教会に洗脳させているからな。この地上は人間の物だと本気で思っているし、増えすぎた人口も減らさないと。と考えている危ない奴だ」
「人口を減らす! 同じ種族なのに!」
「一部の人間だけが得をして生きる。他はどうでもいいと思っている奴等だ。お前の兄キャメルが闘っている相手はそんな考えを持った人間だ。教会の奴等にどうやってハンター達が洗脳されているのか、それを知りたいんだが。何せ吐かせようとすると消しにくるから相手がよく解らないんだ」




